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東電が福島第一原発の「ALPS処理水」海洋放出のための海底調査開始

おしどりマコ|2021年12月24日2:03PM

 東京電力(東電)は11月27日から、福島第一原発の「ALPS処理水」を海洋放出するための海底調査を始めた。今年4月の政府の方針決定を受け、東電が8月25日に突然発表した海洋放出計画に基づくものだ。ただ、この海洋放出のための施設に関する実施計画は、原子力規制委員会(規制委)の審議にまだかけられておらず、なし崩しに始められようとしている。

東京電力が11月26日に示した作業工程。(東京電力の発表資料より)

 東電の計画は、海底トンネルを掘って、沖合1キロメートルに海洋放出するというもの。沖合への放出は「風評被害を払しょくするため」と説明している。

 11月27日に始まった海底調査は、東電が示した工程(上図)の(1)にあたり、地質調査(海上ボーリング調査)に先立って調査対象エリアの海底に支障物がないことを、磁気探査センサーで確認するものだ。12月1日からは、(2)の地質調査が始まっている。

 規制委の特定原子力施設監視・評価検討会では、伴信彦委員が毎月、「海洋放出にかかる施設の実施計画を早く提出するように。提出されなければ規制委では審議ができない」と東電に求めてきた。そのたび東電は「関係者のみなさまの声を取りまとめて計画を作っているところ。いつごろに提出できるのかお示しできない」と回答。11月22日の検討会でも同じようなやりとりが繰り返されていた。

 東電が発表した計画では、処理水タンクから二次処理設備を通し、分析用タンクで測定。その後、「立坑」で処理水と海水を混合・希釈して、海底トンネルを通し、沖合1キロメートルに放出する。福島第一原発の沖合1・5キロメートルで幅3・5キロメートルの海域は、共同漁業権が設定されていない。海底トンネルの直径は約2・5メートルとなっている。

 筆者は、東電の定例記者会見などで、「この海底トンネルの計画は、実施計画ができておらず規制委の認可が下りていないが工事を始めて問題はないのか」と繰り返し質問してきた。そのたびに東電は「立坑で処理水を海水と混ぜ合わせ希釈する。立坑では海水とほぼ同質のものとなるため、立坑と海洋トンネルは放射性物質に関連する設備ではない。そのため規制委に提出する実施計画の範囲には当たらない」と応じてきた。それは東電独自の解釈か、規制委と協議の上での判断か、と問うと「東電の解釈」とのこと。あらためて規制委に11月29日にも確認したが「実施計画が出ていないため、立坑以降の施設が実施計画に当たらないかどうかは判断できない」(竹内淳・福島第一原発事故対策室長)との返事だ。

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