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ウィシュマさん映像の開示求める遺族に入管庁が脅し 
「もう見る機会ない」

西中誠一郎|2021年9月28日11:53AM

法務省前で囲み取材に応じるウィシュマさんの妹2人と指宿昭一弁護士(右)。(撮影/西中誠一郎)

名古屋入管で今年3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族と代理人弁護士が、入管施設で撮影された彼女の2週間分の監視カメラ映像の全面開示を求め、9月10日に法務省を訪問した。

遺族は8月12日にも同省を訪れ、入管側が約2時間に編集した動画の一部を視聴したが、弁護士の立ち会いが認められず、収容施設で刻々と死に追い込まれていく姉の映像を遺族だけで最後まで見るのが困難だったため途中で断念。2週間分すべての映像データを遺族や代理人弁護士、国会議員などに開示することを求めて再訪した。

だが今回も代理人の立ち会いは認められず、法務省庁舎に入った遺族と弁護団の計8人は動画も見ないまま約1時間後、疲れた表情で報道陣の前に現れた。指宿昭一弁護士によれば、入管庁部局付の検事が「この動画は行政機関として非開示情報だが、人道上の配慮で遺族にだけ開示する。それ以外の第三者が見ることは考えていない」と回答。ウィシュマさんの妹ワヨミさんの「なぜ代理人が立ち会えないのか」との質問に、検事は「開示できる行政情報は法律で決められている」と説明をしたという。しかし、情報公開法では行政機関が開示しなければならない要件が定められているだけで、任意での開示を禁止する規定はない。

一行が席を立って帰ろうとしたところ、その場に現れた佐々木聖子入管庁長官が、指宿弁護士にこう語ったという。

「このビデオを遺族が見て、シンハラ語に翻訳した『調査報告書』を受け取ったら、スリランカに戻ってお母さんに報告した方が良いのではないか。今日見なかったら、もう見る機会はない」

指宿弁護士は「こんな脅しのような入管側の態度で立ち会いなしはありえない」と語り、引き続き代理人立ち会いでの視聴と動画の全面開示、国会議員への情報開示を求めていく決意を述べた。

(西中誠一郎・ジャーナリスト、2021年9月17日号)

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