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「脱原発テントひろば」10周年大集会開催 
原発廃絶へ不屈の思い

岩本太郎|2021年9月22日5:32PM

東京・霞が関の路上で開かれた「テントひろば」10周年大集会。約200人が集結し、目の前の経産省に原発反対の声を投げ掛けた。(撮影/岩本太郎)

「丸10年『脱原発テントひろば』大集会」が9月11日午後、東京・霞が関の経済産業省前で開かれた。路上などに集まった約200人が、「原発いらない」「再稼働反対」などを横断幕やプラカード、シュプレヒコールで訴えた。

東日本大震災発生から半年後の2011年9月11日、経産省敷地内(柵の外側)の一角に有志らが設営したのが「テントひろば」だ。以来、日本の脱原発・反原発運動の象徴的な場所としてさまざまな人々が党派を超えて日夜集まり、情報交換や発信を行なってきた。テント自体は16年8月21日に強制撤去されたが、運動拠点としては現在も継続中だ。

その「テントひろば」が10周年を迎えたこの日、「大集会」冒頭にやってきて発言したのは10年前の首相、菅直人氏だった。「事故後、電力(総発電量)の中で原発の比率は10年間平均で3%。これはみなさんの運動の成果」とエールを送った菅氏は、この数字を再生可能エネルギーの比率拡大で0にすべく、自身は農林水産省と交渉し、農地を活用した太陽光発電の推進を訴えていると説明。農水省は「農林水産再エネ省」に名称変更してはどうかと提案しているとも述べた。

市民団体「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは「10年経っても(政府は復興したと言うけれど)何も変わらないどころかさまざまな問題が出てきた」と指摘。運動関係者に一層の努力が求められているとしつつ、自らは今春から誰でも参加できるオンライン会議を立ち上げて各地の運動関係者との情報交流を図っていることなどを報告した。福島原発告訴団団長の武藤類子さんは「いま福島で起こっていること」を10項目提示。「汚染土の農地への再利用」が進められようとしている現状に警鐘を鳴らした。

弁護士の河合弘之さんは国内54基の原発中、再稼働へ至ったのが9基という現状について「私たちの闘いは毎日勝っている」と評価をしつつも、脱原発・反原発運動の在り方については常に再検証が必要であることを強調。自民党総裁選に立候補を表明した河野太郎氏が再稼働容認とも取れる発言をしていることにも触れ、「政治家として脱原発に少しでも近づくための、考え抜いたうえでの発言では」と理解を示した。

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