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「ぼろぼろ五輪」満身創痍で開催強行 
失敗の責任問う声高まる

本田雅和|2021年8月3日7:05PM

神宮前交差点を行く反五輪デモ。若者や海外からの参加者も多数。警官も大量動員されていた。(撮影/薄井崇友)

【商業五輪の悲惨さがますます露呈】

中山副大臣が管轄する自衛隊とイスラエル国防軍(IDF)や諜報機関との協力関係は指摘されて久しいが、今回のSWCからの批判がIOC本体への牽制だとすれば、「IOCの言いなり」とされている日本政府も組織委も跪くしかないのだろう。饒舌なバッハ会長もIOCも、この件に関しては公式には沈黙したままだ。

そんな中、開会式当日の23日には、組織委が「聖火」と呼ぶトーチリレーの到着式があった東京都庁前での抗議集会には約300人、新国立競技場に向けて出発したデモには約800人が集まり、阻止線をはるか手前で張る警官隊と対峙した。反五輪の会やオリンピック災害おことわり連絡会の呼びかけで、炎天下の行動に参加した鵜飼さんの姿もあった。

「確かにコロナ禍での強行で『誰も責任を取らない体制』が明らかになり、反対する市民も増えたが、僕らが当初から主張していた五輪そのものがもつ障害者差別や女性差別の本質も浮き彫りになっている」

鵜飼さんが暮らす長野県内ではトーチリレーの現場での反対スタンディングなどが展開されたが、「逆に商業五輪の悲惨さが暴露されてしまった」という。

NTT、トヨタ自動車、コカ・コーラ、日本生命……大音量で宣伝する巨大な車両に隠れるように、「刺身のツマみたいにランナーがとぼとぼ走る姿を目の当たりにした観衆は、祝祭気分を盛り上げるどころか、少なからず落胆して帰宅していった」と話す。

(本田雅和・編集部、2021年7月30日号)

 

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