重要土地調査規制法案に反対する市民団体「緊急声明」をもとに作成／片岡伸行

【「立法事実は存在せず」】

ドローンで辺野古の映像を記録している奥間さんは「実際にわれわれは弾圧を受けている。ドローンを飛ばすと必ず警察がやって来る。軍事化が進む沖縄では、まさにわれわれの活動自体が弾圧の対象」。清水さんも「重要施設周辺というが、基地のある沖縄は全島が対象に。ドローン規制法で目隠しをされ、この法案で手足を縛られる。そして戦争へと向かう」、大仲さんも「いよいよここまで来たか」と危機感を露わにした。会場からの発言を求められた沖縄県選出の参議院議員・伊波洋一さんは「法案は日本が戦争に向かうための道具で、強調されているのは総理大臣の権限。沖縄だけでなく日本全体の問題だ」などと述べた。

同法案のきっかけは「外国人による基地周辺の土地取得」が問題視されたためだが、実際に問題は何も起きていないことが２０２０年２月25日の衆議院予算委員会第８分科会で明らかになっているとして、声明では〈立法事実は存在しない〉と指摘。戦時体制と市民監視を狙いとした〈戦争関連法の一環〉だと撤回を求めている。

（片岡伸行・記者、2021年5月21日号）