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アルケゴスが200億ドル売却──金融緩和による過剰流動性相場が終わる前兆か

鷲尾香一|2021年5月9日11:11AM

3月26日、米国の株式市場が“震撼”した。たった1社が総額200億ドル(約2兆2000億円)と言われる巨額の株を売却したのだ。

その企業とは、米ヘッジファンドのタイガー・アジア・パートナーズの元運用者であるビル・フアン氏が運用する米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントだった。

同社の投資手法は、デリバティブ(金融派生商品)を利用しレバレッジ(梃子)取引で、委託保証金を差し入れることによって、その何倍もの金額が取引可能になるというものだった。

ビル・フアン氏の資産は50億~100億ドルと推測されており、運用時のレバレッジ比率は500%にも上るとされている。

つまり、レバレッジ取引により、資産の5倍の金額の運用が行なわれていたということだ。 同社の“つまずき”のきっかけとなったのは、投資先の一つである米メディア大手・バイアコムCBSだった。

バイアコムが3月22日に増資計画を発表したことで株価が急落、アルケゴスの委託保証金が足りなくなり、追加保証金を差し入れなければならなくなった。

ところがアルケゴスは追加保証金を調達することができなかったため、レバレッジ取引により運用していた巨額のポジションが強制的に清算された。これが米株式市場での200億ドルという巨額の売却となったわけだ。

アルケゴスの運用失敗は野村ホールディングス(HD)にも“飛び火”した。

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