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日銀は「金融緩和中毒」なのか
高橋伸彰|2021年5月5日12:23PM
実際、マクロ的な金融リスク以外にも、貸出金利の低下による地方金融機関の経営悪化で、地方経済を支える中小・個人企業への円滑な資金供給が滞ったり、また、ゼロに近い預金金利の下で公益目的の財団や基金の活動が縮小されたり、老後の生活に不安が生じたりするリスクも高まっている。
麻薬やアルコール、煙草など一度始めたらなかなか止められない「病」を「中毒」と呼ぶが、日銀にとっての緩和も「中毒」なのかもしれない。仮にそうなら、禁断症状が深刻化し手遅れになる前に、一刻も早く緩和の出口に向けたロードマップを描くべきではないか。
(高橋伸彰・立命館大学名誉教授。2021年4月2日号)
※大型連休にあわせて過去記事を掲載します。