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「やめろ!敵地攻撃 大軍拡」 
市民団体が防衛省・外務省と交渉

片岡伸行|2021年4月2日4:37PM

防衛省・外務省の担当者ら(左)に質問を繰り出す市民団体側(右)。(撮影/片岡伸行)

年度内成立が確実の2021年度予算のうち、5兆3422億円と史上最高を更新する「防衛費」には「巨額の敵地攻撃兵器の導入が見込まれる」として、複数の市民団体からなる「武器より暮らしを! 市民ネット」が3月9日、東京・永田町の参議院議員会館内で「やめろ! 敵地攻撃 大軍拡」と銘打ち、防衛省・外務省との交渉を繰り広げた。

菅政権が昨年12月18日に閣議決定した、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の開発・配備をテーマとして市民団体側が事前に14項目の質問を提出。交渉の中で防衛省の担当者は、「ASM3超音速空対艦ミサイル」の射程距離は「お答えできない」、「12式地対艦誘導弾」の保有数量も単価も「公表していない」と回答。20年12月29日付『産経新聞』の記事で誘導弾の射程距離を「1500km」「2000km」に伸ばすと報じられたが「そのような事実はない」、事実無根の報道なら抗議・撤回を求めるべきだが「抗議していない」。さらに「スタンド・オフ・ミサイル」の沖縄・南西諸島への配備は「現時点で決まっていない」などと回答。市民団体からは懐疑的な声や厳しい批判が浴びせられた。

このうち、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司代表が「相手の射程圏外から対処するのであれば、中国の中距離ミサイルの脅威圏内に位置する沖縄・南西諸島へのスタンド・オフ・ミサイルの配備はありませんね。明確に答えてください。地元にとっては死活問題だ」と迫ると、防衛省側は「決まっていない」と繰り返し、明確な回答を避けた。

杉原さんは「敵地攻撃が目的ではないと言いながら、実際は敵地攻撃能力そのもの。言い訳、屁理屈だとよくわかった」とし、「本来は国会でこうした政府の矛盾した姿勢・やり方を追及すべきだ」と話していた。

(片岡伸行・記者、2021年3月19日号)

 

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