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菅政権への怒りに震えた「11・3」 
国会前で約800人が抗議

片岡伸行|2020年11月27日12:53PM

学術会議問題への抗議メッセージは今年の「11.3国会前」を象徴。(撮影/薄井崇友)

「学問を守れ! 自由を守れ!」

――日本学術会議「任命拒否」問題の論戦が始まった国会議事堂へ向けて抗議の声が響いた。安全保障関連法に反対する学者の会と全国大学有志の会が主催した「学者・学生・市民による抗議行動」(11月3日)には主催者発表で約800人が集い、菅義偉首相の政治介入に抗議し、6人の任命拒否を撤回するよう求めた。

国会正門前では日本ペンクラブ会長の吉岡忍さん、「軍事研究」を進める永田恭介学長の再任が問題となっている筑波大学の佐藤嘉幸准教授、日本学術会議元会員でお茶の水女子大学名誉教授の戒能民江さん、「平和をつくり出す宗教者ネット」の金性済日本キリスト教協議会総幹事、映画人有志として監督でジャーナリストの綿井健陽さん、立教大学社会学部の高木恒一教授、大学有志の会の屋嘉宗彦法政大学名誉教授、共催した全国大学院生協議会の梅垣緑議長、それに大学1年生の田中香さんらが次々とマイクを手に、学問のみならず表現・思想・信条の自由の危機を訴えた。

このうち戒能さんは「菅首相の答弁はしどろもどろ。6人は名誉と尊厳を傷つけられている。これは精神的DV(ドメスティック・バイオレンス)だ。学術会議のことを閉鎖的だ、既得権益だなどと言うが、(候補者の)名前も知らず本を読んだこともない。それでよくもこんな発言を」と述べ、田中さんは「学問が政権の言いなりにならないと認められないようなら学生は絶望する。柔軟性、多様性を認めないことは学ぶ権利の剥奪」と指摘。金さんは「学問の自由という堤防の決壊は法と秩序の破壊で、自由という崇高な価値を崩壊させるもの。政治の暴力に否を」と幅広い連帯を訴えた。

支離滅裂、でたらめ、すり替え、論理破綻としか言いようのないごまかし答弁を繰り返す菅首相に、抗議の声はさらに広がりそうだ。

(片岡伸行・記者、2020年11月13日号)

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