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入管収容は「国際人権法違反」 
国連が日本政府に是正勧告

西中誠一郎|2020年10月30日2:35PM

【「何回も死ぬと思った」】

2週間の仮放免を3回繰り返し、計4年6カ月の収容を耐え抜いたイラン難民申請者のサファリさんは在日歴30年。「入管収容は本当に辛かった。何回も死ぬと思った。ここが本当に日本なの? 51年間生きて、こんな惨めな思いをしたのは初めてだった」と言葉少なに語った。日本人女性と約10年前に結婚したにもかかわらず2回の2週間仮放免と再収容、計5年の強制収容を経験したクルド人難民申請者のデニズさんは「国連が入管の悪いところを認めてくれて、本当に良かった。いじめられて何回も懲罰房に入れられた。入管のやり方は国連条約違反、人権法違反。悪い薬を飲まされて何回も自殺未遂した。仮放免で出ることができて幸せですが、入管で苦しんでいる人たちのことを考えると心が痛い。皆、愛する家族がいる。国連の勧告が出たので、入管は早く変わってほしい」と訴えた。

同作業部会への情報提供に尽力した弁護士の一人、鈴木雅子弁護士は会見でこう話した。

「(同作業部会は)2人に対する自由の剥奪が『世界人権宣言』や『自由権規約』に違反する『恣意的拘禁』であると明確に認定し、日本政府が国際人権法を遵守するために現行の入管難民法を見直すよう要請しています。国内法で収容が認められても、『恣意的拘禁』の概念は広い。正当な法的手続きの欠如、合理性、必要性、比例性の要素を含むものとされます。本件では2人が繰り返し収容され、理由も収容期間も告げられていない。移住(出入国管理)に伴う収容は必要性を個別評価したうえでの例外的な最終手段でなければならない。収容を前提にした入管難民法は明らかに恣意的です。原則収容せずに収容期間の上限を設定し、司法審査をすることが基本的な保障としてなされるべき」

上川陽子法務大臣は10月6日と9日の定例記者会見で、同作業部会の勧告内容について担当者から説明を受けたことは認めたが、今回のケースや入管難民法が「恣意的拘禁」に該当するかどうかについては「しっかり精査したうえで対応する」としか答えなかった。

今臨時国会では、法務省「収容・送還に関する専門部会」の報告書を踏まえて、入管難民法改正案が審議される可能性がある。収容と送還を前提にした拙速な法案審議の前に、国際法違反の「恣意的拘禁」と認定された現行法の抜本的な見直しに立ち戻るべきだ。

(西中誠一郎・ジャーナリスト、2020年10月16日号)

 

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