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城西大学 VS.水田前理事長裁判、控訴審始まる 
排除行為の違法性問う

片岡伸行|2020年9月25日2:44PM

東京・紀尾井町にある城西大学のキャンパス。(撮影/片岡伸行)

「認知症」「パワハラ」「空出張」などといった元文部科学事務次官の小野元之理事による理事会での一方的な「緊急動議」に端を発して学校法人城西大学(理事長・上原明大正製薬取締役会長、埼玉県坂戸市)から排除されたとして、前理事長の水田宗子さんが同大学と小野理事を相手取り損害賠償を求めている裁判の控訴審第1回口頭弁論が9月3日に東京・霞が関の東京高裁(團藤丈士裁判長)で開かれた。

水田さんは2016年11月に開かれた理事会で理事長職辞任に追い込まれ、17年2月には城西国際大学(千葉県東金市)の大学院院長職を解かれ(職位廃止)、17年度からの授業を年度が始まった4月3日付で突然「今年度は開講しない」と通知されるなどして大学から排除された。2月の一審判決ではこのうち「大学院院長職の廃止」「突然の授業閉講」などについて「一定の合理性がある」と判断。水田さんが控訴していた。

同日の第1回口頭弁論で水田さん側は一審判決の誤りを指摘した上で「一連の排除行為の違法性を問うべき」とする「控訴理由書」を提出。大学側はそれに対し「(一連の行為は)学園の正常化を目指したもの」として、控訴の棄却を求める「控訴答弁書」を提出した。團藤裁判長は書面確認後に「弁論準備手続きに入りたい」とし、傍聴人を退廷させて非公開の協議に。控訴人代理人の大室俊三弁護士によると、裁判所側は双方の主張についていくつかの確認と指摘をし、和解の可能性についても双方に打診。裁判は次回10月16日も引き続き非公開の弁論準備手続きになるという。

傍聴に訪れた大学関係者は「水田先生がいなくなって『女性学』が看板だった城西大学はすっかり変わってしまった」と嘆き、大学側の一方的なやり方に疑問を呈した。水田さんと城西大学の間ではこのほか複数の訴訟が係争中だ。

(片岡伸行・記者、2020年9月11日号)

 

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