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千代田区長、マンション購入疑惑で暴走 
小池都知事の責任は

横田一|2020年8月27日11:17AM

【「東京大改革」の成れの果て】

小池知事が3年前の区長選挙で「東京大改革」を掲げて石川氏を応援したことについても聞くと、小林氏は「私どもは千代田区の街づくりがちゃんとした形で区民のためになるように取り戻す。それに『東京大改革』が合致していれば一緒にやっていく」と答えた。

だが実際には「東京大改革」と真逆のマンション購入疑惑が石川区政で起きたわけだ。舞台は三井不動産レジデンシャルが販売した同区三番町のタワーマンション。一般には販売されない事業協力者住戸を、なぜ区長が優先的に購入できたのかという疑惑が浮上。7月8日の百条委の議事録には、区長と事業者の間に癒着関係があったのではと指摘がある。

(1)同物件の建築に際し都より適用条件が厳しくない区の総合設計制度を適用し、区長が特定行政庁として許可し容積率を緩和した件。

(2)区長の長男が区長夫妻と共有名義で購入、後に売却し結果的に相当額の利益を得た三井不動産レジデンシャルが販売したパークコート富士見ザ・タワーが区の指導で容積率を約2倍まで緩和した件。

(3)「東京ミッドタウン日比谷」の大規模再開発にあたり、区が広大な区有地とその上に建築された建築物を「日比谷エリアマネジメント」に無償で貸し付けた件。

以上三つの事例を示しつつ前記三番町の物件の建築、購入時期と重なる時期に行なわれたこれらの事業執行の見返りに、「事業者側からの優遇を受けたのではないかとの疑いが拭いきれません」(はやお恭一議員)と同議事録にある。

知事お墨付きの「東京大改革」を進めた千代田区で不動産業者との癒着疑惑が浮上していたのだ。石川区長を全面支援した小池氏には当然連帯責任が生じる。しかし7月31日の会見で小池知事は「区の動向を見守っていく」と他人事のように答えただけだ。直系区長の癒着疑惑が今後どこまで真相解明されるのかが注目される。

(横田一・ジャーナリスト、2020年8月7日・14合併号)

 

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