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愛知県知事リコール運動に市民らが反対 
「歴史改竄主義者の暴走許すな」

高橋良平|2020年8月25日6:56PM

「あいトリ」会場だった名古屋・愛知芸術文化センター前でのリコール反対運動。(撮影/久野綾子)

昨年開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」は歴史改竄主義などによって「検閲」され表現する機会を奪われた「平和の少女像」を含む作品を集めた企画展だった。

高須克弥氏と河村たかし名古屋市長らは、ここに「天皇・特攻隊を侮辱」した「反日」作品が展示されていたとし、それをトリエンナーレ実行委員会会長の大村秀章愛知県知事が開催・再開したのは許せないと、今月中旬から大村知事へのリコール(解職請求)運動を開始。リコール成立には県内有権者約613万人のうちから約87万筆の署名を2ヵ月以内に集めて投票を行ない、投票で過半数が解職に賛成する必要がある。

高須・河村両氏は南京大虐殺・旧日本軍性奴隷制度という「歴史の事実」を否定する歴史改竄主義者だ。だからこそ彼らは「表現の不自由展・その後」を全力で攻撃し、憲法で義務付けられている「表現の自由」を尊重するという自治体の長として当然の姿勢を見せた大村知事を執拗に攻撃するのだ。これは昨年の企画展への脅迫・圧力の背景と同じ性質のものだ。

河村市長は、名古屋市のトリエンナーレ負担金の一部を契約に反して不払いとし、現在愛知県は名古屋市に対し裁判でその支払いを求めている。この裁判がリコール運動の大きな理由となっている。

歴史改竄主義は基本的人権と民主主義を破壊し、私たちに分断と差別をもたらす。解職が成立する可能性は極めて低いが、コロナ禍にあっても自らの政治的パフォーマンスを優先させる河村市長の姿勢共々、看過することはできない。

私たちはコロナ感染予防を講じつつ街頭・地域でリコール反対声明への賛同署名集め(ウェブサイト「Change.org」でも署名可能)やリコールに協力しないよう呼びかけている。

(高橋良平・「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会、2020年8月7日・14合併号)

 

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