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検察庁法改正案、抗議ツイート約700万 
官邸の人事支配に危機感

岩本太郎|2020年5月25日5:20PM

【三権分立も骨抜きに?】

そうした動きに対し「#検察庁法改正案に興味ありません」とのハッシュタグ付きツイートのほか前記の加藤さん(賛同者のツイートに手当たり次第反論)のようなアンチの声も続々上がってきた。10日午後にはツイッター上の前記ハッシュタグ付きツイートがトレンド落ちする現象も。「トレンド操作」との声も出た。

きゃりーさんは先のツイートを11日までに削除した。同ツイートで検察庁法改正案の問題点を指摘した図を画像で紹介したものの、「間違えてる等の指摘」を受けたほか、投稿をめぐり自身のファンの間で意見が割れ、ウェブ上で激論になったことが理由という。やはり日本では芸能人の政治的な発言に対しては拒否反応を示す向きも依然として多いようだ。

とはいえ、コロナ騒動によって今や屋外での意思表示すらままならなくなったこの国で、ツイッターという従来アンチリベラルな書き込みが目立ったSNSで、こうした世論の表出があったことには注目すべきだ。

《右も左も関係ありません。犯罪が正しく裁かれない国で生きていきたくありません。この法律が通ったら「正義は勝つ」なんてセリフは過去のものになり、刑事ドラマも法廷ドラマも成立しません。絶対に通さないでください。》

「デモ」の発端とされる5月8日19時40分、あるユーザーの投稿だ。

首相官邸公式サイトに掲載の「日本国憲法下の三権分立」は、国民から三権へ向くべき矢印が、内閣から国民に向いている(写真参照)件も話題になった。三権分立すらに骨抜きにしようとする政権の本音の表れではないのか。

安倍首相は11日の衆議院予算委員会で今国会中に改正案の成立を目指す考えを表明したが、立憲民主党など野党は12日に修正案を提示。当初予定されていた13日の内閣委員会採決は見送られた。ツイッター上の圧倒的な世論が政治を動かしはじめている。

(岩本太郎・編集部、2020年5月15日号)

 

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