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ダヌカさん、再収容めぐり危機的状況続く 
不可解極まる東京入管の決定

樫田秀樹|2020年4月7日4:15PM

【再更新はまたしても2週間】

忌避申立をしたことで結審は回避できたが、この日の二つの出来事は以後の2週間を「地獄でした」と言わしめるほどにダヌカさんの心に深刻な打撃を与えた。

「再収容への不安から、再び液体も吐いています。体重も53キロまで減りました。夜中に何度も目が覚めるんです」

2週間後の3月12日。東京入管の待合室でダヌカさんは筆者に「おそらくダメだから」とカバンに詰めた着替えなどを見せてくれた。そして悲痛な覚悟で面会室に入っていった。ところが15分後、ダヌカさんは待合室に顔を出し笑顔で「OKです!」と報告。そこにいた関係者は「よかった!」と静かな拍手を送った。

だが仮放免の更新手続きで、同伴した駒井知会弁護士は驚いた。またしても許可された期間は2週間だったのだ。理由の開示はない。Aさんは「あり得ない」と一転顔を曇らせた。

駒井弁護士は担当職員とのやりとりから、次回の更新手続きで必ず再収容があるとは考えにくいと説明した。しかし問題は、2週間の仮放免は毎日を不安と絶望感に満ちたものにすることだ。

それでも再収容に至らなかったのは、マスコミ報道や支援活動、国会議員主催の院内集会への参加など世論の高まりがあったからとダヌカさんは感謝する。

(樫田秀樹・ジャーナリスト、2020年3月20日号)

 

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