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北九州・工藤会本部跡地をNPOが購入 
救護施設開設へ

谷瀬綾子|2020年3月6日10:36AM

建物が撤去された工藤会本部事務所跡地(北九州市小倉北区)。ここが福祉拠点として再生される。(提供/抱樸)

福岡県北九州市を拠点とするNPO(非営利団体)「抱樸」(奥田知志理事長)が2月6日、市内の特定危険指定暴力団工藤会の本部跡地を買い取り、全世代を対象とした福祉の拠点とする「希望のまちプロジェクト」を公表した。

同市の北橋健治市長も「跡地利用としてふさわしいものと考えており、市としても応援してまいりたい」と歓迎するコメントを同日発表。地域からも「いいことだね。応援します」といった肯定的な反応が寄せられているという。

抱樸は、32年にわたって同市内でホームレス支援活動を行なっており、これまで3400人以上が支援を通じて自立している。

どんな困難な状況にある人の支援であっても「断らない」ことをモットーに活動を続けるうちに事業の幅は広がり、今では子どもの学習支援を入り口にした家族丸ごと支援、刑務所出所後の更生支援など計27事業を行なっている。

一方、工藤会はたびたび一般市民を標的とする事件を起こし、市民生活に暗い影を落としてきた。本部事務所は市街地にも近い便利な地域にあり、広さは約550坪(約1820平方メートル)。固定資産税の滞納のため2018年に同市に差し押さえられ、今では歓楽街からも工藤会は姿を消しているという。福岡県暴力追放運動推進センターがいったん買い上げた後、1億円で県内の民間企業に売却される予定だ。

抱樸は同民間企業からこの土地を買い取ることで、すでに合意しているという。跡地での事業のため、NPOは残したまま社会福祉法人抱樸を立ち上げる予定だ。これによりNPOではできなかった「救護施設」(精神や身体に障がいがあり、経済的な問題も含めて日常生活が困難な人たちが健康に安心して過ごすことができる保護施設)の開設が可能になる。抱樸はこの跡地で救護施設を中心に孤立する人がいない共生型のまちを作ることを目標としている。

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