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MMT理論とアダム・スミス

浜矩子|2020年1月2日7:00AM

 さらに、MMT理論が暗に前提とする二つの点について、大先生はより強い嫌悪の念を抱くに違いない。その二点とは、一に上記の通り法定通貨の価値は決して崩れないということ、そして二には、中央銀行は常に政府の言いなりに国債を吸収するということだ。

法定通貨だからといって、強権的にその価値を人々に押し頂かせるのでなければ、値崩れする。紙切れになる。中央銀行が政府にかしずくのは、経済ファシズムだ。いずれも、とどのつまりは、国家権力の絶対化につながっていく。良識と良心の見えざる手。これに信頼を置く経済学の生みの親は、決してそのような体制を容認しないだろう。

(はま のりこ・エコノミスト。2019年11月22日号)

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