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「核のごみ」への不安は? 
NUMOが「地層処分」説明会実施

谷瀬綾子|2019年10月21日8:39PM

久留米市での説明会。ガラス固化体の原寸大パネルなどが用意されていた。(撮影/谷瀬綾子)

原子力発電所の運転を通じて出た高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下深くに埋設する地層処分への理解を深めるため、原子力発電環境整備機構(NUMO、近藤駿介理事長)が全国各地で対話型説明会を行なっている。

地層処分では液体状の高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて「ガラス固化体」を製造する。日本に存在する高レベル放射性廃棄物をガラス固化体にしたと仮定すると、すでに2万5000本を超える。

9月12日は福岡県久留米市内で説明会が開かれ、33人が参加した。会場には1グループにつき4~6人が座れるテーブルがいくつか準備されており、参加者は自由に座ることができる。説明会に何度か参加した経験のある者が複数いる場合は、初参加者とテーブルを分けることもあるが、それも強制ではない。

冒頭で、説明会の開催はこの地域での地層処分についての受け入れ判断を問うものではなく、参加者の集まりやすさを考えて大きな都市で開催している、との断りがあった。

前半にはビデオなどを使って地層処分についての説明が、後半は各テーブルに2人以上のNUMO職員が加わり、グループ質疑が行なわれた。

NUMOの説明会は2017年7月に科学的特性マップが公表されてから始まった。当初は意見交換会として実施していたが、交換会を委託した事業者が謝金を約束して学生を動員したことが発覚したため一時開催を中止。その後「手作り・直営実施」での対話活動に切り替えた経緯がある。

その反省もあってか電力関係者か否かは受付の段階で確認され、関係者は対話のテーブルには着座できないよう工夫されるなど、信頼性の高い説明会にするための配慮が随所になされていた。

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