【スミフルのボイコットを】

２人は今回の来日で、スミフル・フィリピンの親会社であるスミフル・シンガポールの株式49％を保有する住友商事と、スミフルジャパン、スミフルのバナナを取り扱うイオンなどの流通小売各社に面会を求めた。唯一、イオンとだけ正式な面会が実現したが、「スミフルのバナナを取り扱わないでほしい」という彼らの要請に対して、イオン側から特に返事はなかったという。

くしくも彼らが抗議行動を繰り広げていた６月18日、住友商事はスミフル・シンガポールの株式売却を発表、住友商事とスミフルの間に出資関係はなくなった。

「ストライキも９カ月になり、７００人からの労働者が無収入状態ですが、さまざまな支援をささえに闘いを続けています。日本のみなさんにもぜひサポートしていただきたいですが、そのためにはスミフルのバナナを買わないでほしい。ボイコットしてほしいのです。かわりに、労働者の権利を大切にするオルタナティブな企業のバナナを買ってください。日本の消費者がこのようなアクションをしてくれれば、スミフルに対して、平和的かつ大きなプレッシャーを与えられるのではないかと思います」（ディソン氏、セノ氏）

日本の消費者だからこそできること、真剣に考えたい。

※スミフルのバナナ農園における労働環境の実態については、本誌２０１９年１月18日号特集「バナナを通して世界を見る」をご覧ください。

（本誌編集部、2019年7月5日号）