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衆院解散の大義名分とは

西谷玲|2019年7月14日3:57PM

令和になり、トランプ大統領が賑々しく来て帰った。もう6月で国会は終盤だ。

7月には参院選があるわけだが、安倍晋三首相が国会を解散するかもしれないという観測が浮上したままくすぶっている。令和、トランプとマスメディアは何だかお祝いムード一色で、6月のG20に合わせて習近平もやってきたら、政権にとって選挙に向けての地合いは悪くないのだろう。

菅義偉官房長官は会見で野党による国会への内閣不信任案の提出が解散の大義に「当然なる」と語り、解散ムードが一気に高まった。

加えてトランプ大統領は安倍首相と会談後「多くは7月の選挙後まで待つ」とツイッターに投稿した。このときの「選挙」の英語表記が「elections」と末尾に「s」をつけて複数形になっていて、これは選挙が参院選だけでなく衆院選もあるからでは、とも言われた。もっとも、参院選だけでも選挙区は複数あるので、複数形にしたのは不自然ではない、との見方もある。

しかも、ずっと開催されていなかった党首討論が、6月26日の会期末の1週間前、19日にも開かれるかもしれないという。これは安倍首相側の意向が強く働いたものだ。なぜ国会最終盤に、という疑問が当然浮かぶが、党首討論を、解散を宣言する舞台として利用するのではないか、ともみられている。

実際、2012年の民主党政権の時に当時の野田佳彦首相は、野党自民党の総裁・安倍氏との党首討論で、唐突に解散を宣言した。

もっとも、参院選があるたびに「ダブルがあるかもしれない」とは何度も言われてきた。政権や党の幹部からすれば、議員たちを「常在戦場」ではないが、ひきしめておくという意味で「いつあってもいいように備えておけ」というものであろう。

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