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強まる「解散風」を読む

佐藤甲一|2019年6月8日7:00AM

 改元に伴う10連休が終わったとたん永田町では「解散風」が急速に吹き出した。4月末に麻生太郎財務大臣が安倍晋三首相と会談し「解散」が話題になったと伝えられたことを皮切りに、5月17日には菅義偉官房長官が記者会見で、衆院で野党から内閣不信任決議案が提出された場合は、解散の大義に「当然なるのではないか」と発言、風速が増した。

一方、野党・国民民主の小沢一郎氏も14日、BSのテレビ番組で「もし同日選になれば、野党は壊滅的な敗北になる」と語ったことも拍車をかけている。改元に伴う内閣支持率の上昇で「衆参同日選挙は与党に有利」という「定説」が議員心理を煽っているとも言える。だが果たして本当に解散の可能性は高まっているのか。

解散という賭けに出るためには必勝の切り札が必要だが、その決め手と見られているのが10月に予定されている消費増税の凍結だ。麻生・安倍会談で麻生氏が「解散」を口にしたと伝えられたことも、その可能性を高めている。

実際、国内の経済状況を測る指標の数字は芳しくない。加えて米中の貿易戦争は収束の気配を見せず、イランとアメリカの対立は石油価格の上昇を招くなど、マイナス要因が目白押しだ。とはいえ、消費増税は財政再建のための「国際公約」だ。格好の舞台が、6月下旬に大阪で予定されているG20サミットになる。

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