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【想田和弘・柏木規与子夫妻インタビュー】
吸収合併みたいな夫婦同姓は僕らの結婚観に合わない

宮本有紀|2018年7月17日4:47PM

領事館職員に説教される

想田 ちょうど9月11日だったんです、その日。

柏木 そう、9月11日の日付でスタンプを押してもらって帰ってきて、テレビをつけたら飛行機がビルにつっこんでいた。その後は米国の大使館も領事館も閉鎖されてしまい、もしその日にビザがもらえなかったら次にいつ開くのかわからない状態だったので、ギリギリセーフでした。結局、次の日の飛行機は飛ばなかったのですが、1週間くらいで便が再開したので米国に戻りました。

想田 僕らは日本の法律上も婚姻が成立しているし、米国のビザを得るのに米国の法に則っているにもかかわらず日本の職員がビザをださないと言うのは違法じゃないでしょうか。日本人同士の結婚なら同姓しか認めないとしている規定の弊害だと思います。

柏木 領事への直通電話が置いてなかったらどうなっていたか。想田の母は心配して、これで婚姻届を出したらどうって印鑑を送ってきてくれて(笑)。私の母は怒ってました。領事館から電話がかかってきて「お宅の娘さん、常識ないのでは」と言われて母にまで説教するので「余計なお世話です」ってやりあってくれて。結局、ビザが更新できるまでひと月くらいかかりました。

想田 日本でビザ更新するとまた同じ目にあいそうだから、次からはドミニカ共和国の大使館にいって更新しました。何回かやったよね?

柏木 うん。毎年ドミニカ行ってたね。困ったねと言いながらバケーションしてた(笑)。

想田 いまはグリーンカード(永住権)なので更新する必要はないんですけど。でも他国ではビザがおりるのに祖国でおりないというのはおかしい。僕らの結婚を証明するのに米国の婚姻証明書しかない。日本では証明できるものを何も発行してくれないわけですから法的に不備があるということですね。海外での法律婚を認めながらそれを登録する術がないというところに弁護団の方々は目をつけられたんだと思います。

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