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自民党が提言する少年法改定に「立法事実なし」

2017年7月7日5:23PM

発言する須藤明氏(左)と丸山泰弘氏。6月12日、東京・文京シビックセンターで。(写真/小宮純一)

選挙権年齢を18歳以上に引き下げた公職選挙法が成立したのを受け、金田勝年法相は少年法の適用年齢についても現行の20歳未満から18歳未満に引き下げることを、法制審議会に諮問している(2017年2月)。この議論が本格化するのを前に、刑罰法令に違反した子どもを「非行少年」として、国家が強制的に再教育を行なったり、子どもの最善の利益を考えて介入する現行の少年司法を考えようという集会が6月12日、東京・文京区で開かれた。ソーシャル・ジャスティス基金主催。

集会では立正大学の丸山泰弘准教授(刑事法)が「年齢引き下げの必要性を説く自民党の提言(15年9月)は、飲酒や喫煙などの軽微事案の禁止年齢について結論を保留しており、『成人』年齢は、問題領域ごとに検討すべきといっているようなものであり、また、少年法改正の立法事実がなく矛盾している」と発言。

また、駒沢女子大学の教授で、臨床心理士として神奈川県川崎市の中学1年男子殺害事件の加害少年のうち1人の心理鑑定人を務めた須藤明氏は「適用年齢を引き下げれば子どもの成熟が促進されるだろう――という考えは幻想と言える。不遇な成育歴を持つ子どもの場合、単に反省を強いるようなアプローチをしても、内在するつらい過去が、本当の反省を阻害することが多い」として、ともに年齢引き下げには慎重な姿勢を示した。

(小宮純一・ジャーナリスト、6月23日号)

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