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『石原慎太郎への弔辞』の追伸(佐高信)

2017年2月17日12:18PM

2012年2月24日号の『週刊金曜日』アンテナ欄に「瓦礫処理事業を受注する鹿島建設役員に石原知事元秘書」というニュースが載っている。その記事によれば、瓦礫処理について石原は会見で不思議なほど積極姿勢を示し、
「反対する人には黙れ、と言えばいい」
と豪語したとか。

瓦礫処理は鹿島を中心とする大手ゼネコン9社が約2000億円で受注したが、その鹿島には常務執行役員(現専務執行役員)で石原の元公設第一秘書である栗原俊記がいた。この名に覚えのある人も少なくないだろう。1983年の衆議院議員選挙で石原の対立候補の新井将敬の選挙ポスターに、「(昭和)41年北朝鮮から帰化」とシールを貼って公職選挙法違反に問われた事件を主導した人物である。

この時、石原は、
「秘書が勝手にやった」
と、いつもの手で逃げた。

日本一の無責任男である石原の責任転嫁の数々については、拙著『石原慎太郎への弔辞』(KKベストブック)で詳述したので、そちらを参照してほしいが、石原を批判すると、かつては、こんな手紙が舞い込んだ。2000年頃、石原の差別的な「三国人」発言が問題になった時である。当時、私は、作家の宮崎学や人材育成コンサルタントの辛淑玉と共に石原批判の運動を展開していた。

「佐高信 オマエは今すぐにくたばれ 石原知事を選んだ日本人をぶじょくしたな 三国人と言われて おこるのは朝鮮人か、シナ人だからな オマエのようなこの世に必要のねぇカスに 日本人をナメられて だまっていねぇからな
コラ、朝鮮人、いい子ちゃんぶってるんじゃねえよ
オマエの朝鮮顔見てるとヘドが出るんだよ 正義の味方か オマエは 知事にやめろと言う前に この世の中に必要のねぇ佐高、オマエが死ねや
にせ五〇〇円 貴金属荒し強盗 佐高 オマエが被害にあった事がねぇから言えるんだよな
パチンコ荒し 殺人 三国人の犯罪の多さにワシら人間はムカついているんだよ
佐高 オマエが被害者に保障してくれるのか 死んだ日本人を生き返らせてくれるのか
それができねぇんだったらとぼけた事いってるんじゃねぇよ
佐高は朝鮮人だろうが シナ人だろうが どうでもいいんだよ
ようするに 日本人は一日も早く佐高が地獄に行ってほしいとねがってるんだよ たのむから死んでくれや」

臆面もなくテレビに顔を出す猪瀬直樹

この人たちは、いま、ようやく明らかになりつつある“石原慎太郎の犯罪”にはどう思っているのか?

豊洲移転が問題になっている築地市場は、そもそも、銀座の隣の築地市場を移転させて跡地を利権にしようと考えた奴らのもくろみが出発点だった。それで、東京ガスが市場には無理だと拒否するのを強引に説き伏せて、知事の石原と、のちに副知事にまでなる腹心の浜渦武生が移転を強行決定する。

そこで、冒頭の鹿島と石原の関係がクローズアップされるのである。

ちなみに、森喜朗とべったり、いや、森がべったりなのが大成建設だとか。

拙著では石原の「橋下徹と組み、猪瀬直樹を後継指名した罪」も追及したが、不思議でならないのは、徳洲会からの5000万円問題で都知事をやめ、公民権停止となった猪瀬が臆面もなくテレビに顔を出していることである。

公の席に顔を出せる身かと私などは思うが、猪瀬も石原と似た体質なのだろう。
(さたか まこと・評論家、2月3日号)

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