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なぜ祖国の言葉や文化を学んではいけないのか

2016年3月9日12:07PM

「朝鮮学校で学ぶ権利を!」と訴える朝鮮学校生たち。東京・千代田区の文科省前。(写真/弓削田理絵)

「朝鮮学校で学ぶ権利を!」と訴える朝鮮学校生たち。東京・千代田区の文科省前。(写真/弓削田理絵)

「私たちと日本の高校生の何が違うんですか」――涙ながらに訴える朝鮮学校高校生の声は日本政府に届いたのか。

2013年2月20日に文部科学省が「高校無償化」の対象から朝鮮学校を除外する省令を公布、施行してからすでに3年。「無償化」除外は、朝鮮学校で学ぶ権利を侵害するとして、朝鮮学校高校生らが2月19日に抗議行動を行なった。

この日、文科省前は、多くの朝鮮学校生・大学生らで埋め尽くされた。直前の文科省への要請には、約50人が参加。狭い部屋は中に入りきれない人で溢れた。

「普通に学校に通い、学び、友だちと遊ぶ、私たちと日本の高校生は何も変わりません」、「なぜ、祖国の言葉や文化、歴史を学ぶことがいけないのですか」――朝鮮学校生徒の代表として要請に参加した朝鮮学校の高校生は文科省職員の前で、こう訴えた。

朝鮮学校の「無償化」適応除外については、国連人種差別撤廃委員会などから是正勧告が出されている。政府は「差別ではない」とするが、その根拠について、この日対応した文科省職員からも、明確な答えはなかった。

朝鮮学校「高校無償化」裁判弁護団の伊藤朝日太郎弁護士は「そもそも『高校無償化』法の趣旨は、子どもの教育の機会均等で、政治上・外交上の問題を持ちこむべきではない」と指摘した。

(弓削田理絵・編集部、2月26日号)

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