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民族派も激怒した自民党代議士と山口組の関係──武藤貴也代議士も所属していた麻生派の“闇”

2015年9月1日5:26PM

白石徹衆議院議員。(本人の公式ホームページより)

白石徹衆議院議員。(本人の公式ホームページより)

「スーツを着て座っているのをテレビで見て腹が立ってしょうがなかったですよ。国防を預る重大な委員会に憲法の知識もないような国会議員が出ている。しかも十数年にわたって反社会的勢力と付き合ってきた人間ですよ。自民党も劣化したものです」

その「国会議員」とは7月15日に「戦争法案」を強行採決した衆議院平和安全法制特別委員会で委員も務めていた愛媛県選出の白石徹衆議院議員のこと。白石氏は自民党・為公会(麻生派)の一員だ。

白石議員について苦々しく話すのは東京を中心に民族運動を続けてきた高橋斗士夫氏である。高橋氏は2020年開催の東京五輪にもつながる04年の明治神宮の神社本庁離脱騒動では、在京民族派を尻目に徹底的に明治神宮や責任役員・総代会を糾弾し続けた民族団体国防同士社の代表である。

「安倍首相の自民党は憲法問題をおろそかにしすぎています。本来ならば憲法を改正してから集団的自衛権を認めるという手続きを踏まなければいけないはずです」

憲法問題や歴史観については小誌と高橋氏は立場を異にするが「今の自民党のやり口は目にあまる」という見解は共有できる。

消えた建設会社の肩書き

その高橋氏は、白石氏と地元が同じ愛媛県新居浜市ゆえ、その素行を昔から知っているという。白石議員は新居浜市で建設業・白石建設工業を父親から引き継ぎ代表取締役や県議を経て、12年に国会議員に初当選した。

建設業は切っても切れないアイデンティティのはずだが、公式ホームページのプロフィールにはNPO代表など収入になるとは思えない肩書きは見つかるものの、もっとも重要だと思える3年間登記していた会社代表取締役の肩書きはなぜか見当たらない。

高橋氏は言う。

「うしろめたい過去を隠したいからでしょう。白石議員は、いまは国会議員の看板を笠に着て地元で威張っている。とはいえ、昨年5月中旬にも赤坂の料理屋の個室で山口組の顧問までつとめたX親分と会食していました。私が連絡をとったんだから間違いない。X親分は白石議員の会社に大型の工事を回してあげた人物で、X親分がいなければ会社はつぶれていたはずです。呼ばれたら断るわけにはいかないでしょう。そもそも白石議員の父親の現役時代からX親分と付き合いが始まり、以後続いてきたわけです。X親分との会食のあとは議員宿舎が近いからといって白石議員は歩いて帰っていきましたよ」

ちなみに同社は昨年まで愛媛県警新居浜署の元署長を社長に据えていたというから何をか言わんや。経営の手腕など期待できない天下り署長は現在も最高顧問にいるという(2015年8月現在)。

白石事務所から回答なし

そこでX親分に直接会って話を聞いたところ、白石親子の関係を「そうやな」と認めた。その場で白石議員の携帯電話に電話もかけてもらったが議員は出なかった。むろん小誌は以上の点やさまざまな疑問について、今年の1月から白石氏の事務所に取材を申し込んできているのだが、ついに期日までに回答はなかった。

「国会議員が地元でなにをやってきたのかなんて国民のみなさんは知らないんでしょうね。白石氏が国会議員になるのも委員会の委員になるのもコンプライアンス(法令遵守)からみても間違いです。派閥の会長である麻生さんは知っているんでしょうか」(高橋氏)

「為公会」の「為公」とは天下国家は公のためにあるという古代中国の言葉。麻生会長、「私」のために政治をする政治家たちには退場していただきましょう。

(本誌取材班、8月7日号)

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