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ファッションショーで表現――女性への暴力NO!

2013年12月26日2:56PM

「服からはじまるレジスタンス 靴からはじめるレボリューション……『もう、この服キツいんです』」という長いタイトルのファッションショーが一二月一日、東京・中野で行なわれた。主催はアジア女性資料センターの一〇~二〇代若手グループ。

おむつで作ったウェディングドレスと髪飾り。ケア労働が女性の役割とされていることを表している。(撮影/宮本有紀)

おむつで作ったウェディングドレスと髪飾り。ケア労働が女性の役割とされていることを表している。(撮影/宮本有紀)

 発案者の濱田すみれさんは「女性に対する暴力の問題を、本など言葉で伝える方法以外でより幅広い人たちに伝えたくて、ファッションという切り口で訴えることを思いついた」と言う。三回目の今年は、DV・デートDV、痴漢やセクハラ、レイプなどの暴力と、職場・学校・家庭などで押し付けられる「女性」の役割に対して「私たち、もうホントにキツいんです! こんな服ならもういらない。こんな靴なら脱いでやる!」という思いを表現した。

 ショーは主題ごとに展開。「女性ゆえに押しつけられるキツさ」を表現するセクションでは、掃除やお茶くみ、酒席でのお酌を強いられる女性社員やキャラ弁を作らないといけない母親などが登場する。「身近な暴力」セクションでは、仲良く歩いてくるカップルが背中を向けると一人の背中が血で染まっていたり包帯で巻かれていたりと一見わかりにくいDVを象徴。「沖縄」セクションでは、基地のフェンスをマスクにした女性やオスプレイが登場し、その後、無惨に撒かれた女性の下着で深刻な性暴力被害を訴えた。

 今年は「ナショナリズム」のセクションを創設。「ヘイトスピーチ(憎悪表現)の問題もあり、愛国心が排外主義につながり最終的に軍事主義に利用されていくということを表現したかった」と濱田さん。「日の丸」を軽く振っていた人たちが軍服を着るようになる様子など、どれも見る側が考えさせられる。

 カンパが目標の五〇万円に達したら実施という方式で実現したショー。年々支持者が増えているという。「来年もやります!」(濱田さん)とのこと。

(宮本有紀・編集部、12月6日号)

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