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生活困窮者の支援団体が施策整備を要請――年末年始はふとんで年越し

2013年12月17日5:12PM

「ふとんで年越しプロジェクト」結成の記者会見。(撮影/清水直子)

「ふとんで年越しプロジェクト」結成の記者会見。(撮影/清水直子)

 年末年始の閉庁期間中、路上で凍える人を出さないようにと、東京都内の生活困窮者支援団体、ホームレス支援団体が、「ふとんで年越しプロジェクト」を結成した。

 今年の年末年始は、土曜・日曜が重なり、一二月二八日(土)から一月五日(日)までの九日間、福祉事務所をはじめとした行政機関の窓口が閉まる。一二月二日、プロジェクトの呼びかけ人が、年末年始の生活困窮者施策を整備するよう国と厚生労働省に要望書を提出し、記者会見を行なった。

 要望書では、年末年始の閉庁期間中の生活困窮者および生活保護申請者に対して、必要に応じて宿泊場所や食事の提供、その費用の給付・貸し付けを行なうことなどを求めている。厚労省の担当者は、検討する、と回答しているという。

 新宿、渋谷、池袋、山谷地域で炊き出しを行なっている支援団体にとって、閉庁期間が長くなれば炊き出し回数が増え、負担も大きくなる。呼びかけ人代表の宇都宮健児弁護士は、「支援団体が持ち出しで生活困窮者の支援をしているが、本来、国や地方自治体が取り組むべき課題」と訴える。

 NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛さんは、「年越し派遣村から五年。統計では路上生活者は減少しているというが、ネットカフェや脱法ハウス、友人宅で屋根を確保する、広義のホームレス状態にある人は増加した」と指摘。支援団体関係者は、路上で生活しているのは日雇い労働者だった人だけでなく、雇用不安定化の影響を受けた若者が増えている、と口を揃えた。

 プロジェクト関係者は、一二月二五日(水)一〇時から二二時に全国一斉電話相談(〇一二〇・七五七九三〇)を実施。年末年始にシェルターを確保するため、クラウド・ファンディング(ネット寄付)で資金を募っている。詳細はURL https://motion-gallery.net/projects/futon-toshikoshiで。

(清水直子・ライター、12月6日号)

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