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ナノテック、監視カメラ17台――異様な組合弾圧続く

2013年11月21日12:15PM

組合を結成したら社内に監視カメラ一七台、放置されていた自分の手紙を回収したら“窃盗”に――。千葉県柏市に本社のある真空装置メーカー「ナノテック」(中森秀樹代表取締役)で、会社側の異様な組合敵視が続いている。

 同社では二〇一二年五月に全日本金属情報機器労働組合(JMIU)ナノテック支部として労働組合を結成。〇八年から支給されていない一時金や未払い残業代などを要求した。その半年後の同年一一月ごろから従業員三〇人ほどの社内にマイク付きの監視カメラが一七台も設置され、その数は既存のものを含めて計二三台に。組合側は不必要な監視カメラ設置を「プライバシーの侵害に当たる」として今年三月、千葉地方法務局柏支局に人権侵害救済の申し立てをし、八月末には同支局が会社への立ち入り調査を実施している。

 また、執行委員長を務める藤原眞二さん(四五歳)は今年四月と五月、柏警察署で「窃盗容疑」での取り調べを受けたが、そのいきさつも不可解だ。九年前に中森社長宛に出した自分の手紙が社員の目に触れるように社長の机の上に放置されていたため、会社役員に撤去を申し入れ。しかし一カ月半経ってもそのままだったため、藤原さんは一月ごろにその手紙を回収。ところがその後、柏署の交番勤務の巡査部長が突然同社に現れ、被疑事実を示さず社員への事情聴取や指紋採取を繰り返したという。中森社長が「会社の重要書類が盗まれた」として被害届を出していたことが後日判明。藤原さんと弁護人は「警察が労働組合弾圧に手を貸すことになる」との申し入れ書を柏署に提出している。

 こうした異様な組合攻撃に、二〇人で結成された組合支部は現在六人に。藤原さんは「村山富市元首相や地元の自民党議員ともつながりが深い中森社長だが、団体交渉には姿を見せず、組合つぶしに奔走しているように見える。健全な労使関係が築かれるよう多くの方の支援をお願いしたい」と話している。ナノテック支部の代表メールは Mail jmiu_nanotec@yahoo.co.jp

(片岡伸行・編集部、11月8日号)

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