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朴大統領は低所得者層の犯罪者を中心とする予定――特赦リストに名前ない許永中氏

2013年4月16日5:36PM

 韓国で服役中の許永中受刑者が三月一一日、ソウル市内の果川刑務所を出て、市内の別の刑務所に移された。密入国と外為法違反(いずれも時効で不起訴)の取り調べが終わったため刑務所を移った。

 許氏は二〇一二年一二月に国際条約が適用され、韓国に移送されている。祖国で残りの刑に服することが認められたものだ。許氏の韓国移送で最も関心が寄せられたのは、特赦による早期仮釈放があるかどうかだった。

 しかし、大韓民国法務部の関係者によると、朴槿恵新大統領が四月に出すといわれる特別恩赦のリストはすでに出来上がっており、その中に許氏の名前はないという。

 許氏の周辺は、昨年一二月の時点でまず当時の李明博政権に恩赦を働きかけたようだが、うまくいかなかった。韓国は歴代大統領が赦免権を行使してきた歴史がある。李前大統領は、任期が終了する間際の今年一月に特赦を出した。対象者の中に、側近議員を含む不正事件の政治家や経済人などがいたため、朴次期大統領は「権利の乱用だ」とこれを批判した。朴新政権が出す特赦は、汚職に対する厳しい姿勢を印象付けるため、低所得者層の生計型犯罪者を中心とした「民政型恩赦」となる見通しだ。

 許氏が韓国に巨額の寄付をしていたのは金泳三大統領時代のこと。その額は五〇億円とも六〇億円とも言われる。だが金元大統領は朴槿恵氏の父・朴正煕元大統領の軍事政権の名残りさえ徹底して排除した人物。李・朴と続く与党政権からは遠いため、かつての金政権の威光もそれほど期待できない。

 許氏は韓国に娘がいる。許氏の心臓の持病や、収監後に三〇キロは痩せたという体調を慮って、娘は早期仮釈放へ向け各方面に働きかけている。

 しかし許氏の刑の満期は、来年九月一四日である。特別な政治的配慮が働かない限りは、許氏の服役はまだ当分は続きそうだ。

(編集部、3月29日号)

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