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袴田死刑囚の誕生日に再審開始を訴え

2013年4月2日5:21PM

バースデー・リレーアピールの模様。(写真/小石勝朗)

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」。無実を訴え再審を求めている元プロボクサー袴田巖死刑囚は、3月10日で77歳になった。この日、支援者や冤罪被害者ら約100人が東京・有楽町で「バースデー・リレーアピール」を行ない、早期の再審開始と刑の執行停止を呼びかけた。

 ボクシング元世界王者の輪島功一さんは「ボクサーだった袴田さんは、殴る痛みも殴られる痛みも知っている。何もしていないのに、なぜいじめるのか」、布川事件で再審無罪を勝ち取った桜井昌司さんは「警察・検察は証拠をでっち上げる。隠しているすべての証拠を出させたら、袴田さんはすぐに社会に帰ってくる」と力を込めた。

 袴田事件の第二次再審請求審で静岡地裁は、有罪の根拠になった「5点の衣類」の再鑑定を実施。1年前、検察推薦、弁護団推薦の両鑑定人がともに「袴田死刑囚のものとされていた血痕のDNA型は本人の型と一致しなかった」と結論づけた。弁護団は「証拠は捏造」との主張を強めている。

 東京拘置所の袴田死刑囚はここ2年半、面会に応じておらず、47年間の拘置による拘禁反応に加えて糖尿病や認知症が心配されている。姉の袴田秀子さん(80歳)は「何とか本人と会って、DNA鑑定の結果など良い情報を伝えたい」と思いを語った。

(小石勝朗・ジャーナリスト、3月15日号)

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