考えるタネがここにある

週刊金曜日オンライン

  • YouTube
  • Twitter
  • Facebook

, ,

【タグ】

むらさきロードパレードに100人――「暴力は愛じゃない」

2012年11月27日5:14PM

各々自分の思いを書いて掲げる。「ぼう力は、はんたいだー」と書いた子どもも。(撮影/宮本有紀)

ドメスティック・バイオレンス(DV)、性暴力などの被害当事者と支援者らが、暴力根絶の象徴である紫色のものを身に着け、子どもと女性への暴力根絶を訴えて歩く「あるこうよ むらさきロード」パレード(主催/同実行委員会、後援/内閣府男女共同参画局、UN Women〈国連女性機関〉)が一一月四日、東京で行なわれた。

今年でパレードは四回目。五歳から一二歳までの子ども九人を含む約一〇〇人が参加した。支援者だけでなく当事者が自ら声をあげるのがこのパレードの特徴。仮面やかつらなどで仮装した参加者らが、青山通りや表参道を歩きながら、「暴力は嫌だ」「暴力は愛じゃない」「携帯チェックは人権侵害だ」「出かける先をいちいち聞くな」などと訴えた。

参加した当事者のJさん(四四歳)は「最初は不安で怖かったが、支援者の人たちに守られ、暴力は嫌だと声に出して言えた。青空の下で自分の言いたいことを言えることが気持ちよかったし、言えたということで励まされ自信もつきました。暴力を受けていたということが恥ずかしくて隠していたが、受け入れてもらえ、気持ちを共有できたことがうれしい」と話す。

ただ、重度のPTSD(心的外傷後ストレス障がい)を抱え外を歩けない状態の被害当事者も多い。Jさんは同じ当事者として「自分の頭と心によく聞いて、本当はどうしたいか決めてほしい。いつでも一緒に歩ける。一人だと思わないでほしい」とエールを送る。

むらさきロード実行委員会の鈴木あうらさんは「被災者のトラウマは報道されているが、DV被害者のトラウマはニュースにもならない。社会の暴力構造は変わっていない」と指摘。パレードは来年以降も続けると話した。問合せなどは arukoumurasaki@yahoo.co.jp まで。

(宮本有紀・編集部、11月9日号)

【タグ】

●この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • Hatena
  • google+
  • Line

電子版をアプリで読む

  • Download on the App Store
  • Google Playで手に入れよう

金曜日ちゃんねる

おすすめ書籍

書影

黒沼ユリ子の「おんじゅく日記」

ヴァイオリンの家から

黒沼ユリ子

発売日:2022/12/06

定価:1000円+税

書影

エシカルに暮らすための12条 地球市民として生きる知恵

古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)

発売日:2019/07/29

上へ