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極秘訪問の目的は何だったのか――前原政調会長“不意打ち”で訪沖

2011年11月22日5:32PM

 一〇月末から政府の外務・防衛担当大臣ら重要閣僚の来県が相次ぐ沖縄で一一月四日夕方、衝撃が走った。

「前原誠司氏が沖縄にいる」

 この情報は四日午後、全日空(ANA)の飛行機で偶然前原政調会長と乗り合わせた民主党沖縄県連代表代行の喜納昌吉氏ら民主党県連関係者から伝えられたものだった。

 本誌取材班にも午後六時半頃に情報が入った。その後、「どこに向かうのか」「誰と会うのか」「県知事と会食している」などの憶測が飛び交い、政界関係者やマスコミ各社を一時騒然とさせた。

 前原氏は同日昼過ぎに東京で「幹事連絡」として記者クラブを通じて「沖縄訪沖は中止」と発表していただけに、突然の訪沖は「極秘訪沖騒動」となり沖縄県内を駆け巡った。

 仲井眞弘多・沖縄県知事と会食していたとされる那覇市内の料理店には大勢のマスコミが駆け付けたが、最後までその姿は確認できなかった。前原氏の目撃情報は、四日午後五時頃に那覇空港で地元テレビ局クルーが確認したのが最後だった。

 前原氏は那覇空港に到着後、巧みにマスコミ各社の取材網をかわし、翌五日の午前中に東京に帰ったとみられる。地元テレビ局は那覇空港から前原氏を乗せたハイヤーの番号も控え、その足取りを追ったが、行く先を特定できなかった。また、那覇空港到着時には沖縄防衛局長の田中聡氏らしき人物も目撃されている。空港から嘉手納方面に向かった可能性もある。

 前原氏は当初、一一月五日から六日にかけて訪沖し、中谷元・元防衛庁長官らと共に米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を容認する島袋吉和・前名護市長らを中心とする名護市の野党市議や本島北部の業界関係者(いわゆる「辺野古組」)、沖縄県政に影響力のある経済界関係者、さらに仲井眞知事らと面談するとされていた。

「知事と極秘に会談」との情報は県外移設を明確に打ち出している仲井眞知事らを支える県庁幹部や政界関係者も困惑させた。

 前原氏の「極秘訪沖」の目的が何だったのかは不明だが、少なくとも県内の政界関係者の間に「政府は裏で何でもやる」ことを強く印象づけたのは間違いない。

(本誌取材班、11月11日号)

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