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「ただの差別」と住民から顰蹙 ――「朝鮮学校解体」求め在特会らデモ

2010年11月15日5:30PM

 排外主義団体「在日特権を許さない市民の会(通称『在特会』)」らが一〇月三一日、「朝鮮学校の解体」などを求め、朝鮮大学校のある東京都小平市でデモを行なった。

 集まったのは在特会のほか、今年七月に結成された「排害社」(金友隆幸代表)など類似団体メンバーも合わせ約五〇名。同様の抗議活動は二〇〇八年、〇九年にも朝大の学園祭に押しかける「フレンドシップツアー」の名目で行なわれたが、朝大が学園祭開催を隔年とし不開催となった今年も、名目をデモと改め行なわれた。

 デモ隊は警視庁が警備体制を固める中、昼過ぎに小平中央公園に集合。「日本列島の隣に朝鮮半島が存在することこそが最大の在日特権」(排害社・金友代表)、「左翼が妨害を宣言しているそうだが、私が『やれ』というまでやるな。ただし『やれ』と言った時は殺せ」(在特会・桜井誠会長)といった檄の後、朝大付近の水上公園まで約一時間かけて行進した。参加者らは途中、「朝鮮大学を解体しろ」「ゴミはゴミ箱へ。朝鮮人を日本から叩き出せ」などとシュプレヒコールを上げたほか、途中にある創価学園付近では「創価学会も日本から出て行け」と叫んでいた。

 朝鮮学校関係者だけでなく、「日本人にも朝鮮学校の犯罪性を訴える」(桜井代表)のが目的とされる今回のデモだが、沿道の見物者数人にデモの感想を訊ねたところ返ってきたのは、「デモっていうけど、あれただの差別でしょ? これが許される国でいいの?」(小平市に最近引っ越してきたという四〇代女性)、「近所迷惑。商売やっている立場からもあれはないわ」(沿道の商店主)、「朝鮮大学に出ていってほしいと思うか? 思うワケないでしょ。昔からここに住んでいるけど、あそこの人たちに迷惑掛けられたことないし」(同男性客)など。

 少なくともこの日質問した地元住民からは、在特会への非難こそあれ、朝大関係者を非難する声は聞かれなかった。

(古川琢也・ルポライター)

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