週刊金曜日 編集後記

1472号

▼『週刊金曜日』を初めて手に取ったのは小学生の頃です。当時、読みたい本といえば、『週刊少年ジャンプ』をはじめ、漫画本でした。小遣いでは新刊に手が届かないので、路上生活のおじさんから1冊50円の中古で買っていました。ブルーシートには社会派雑誌も置かれ、難しく理解できないながらも少し背伸びをした気持ちで求めた中に『週刊金曜日』がありました。時が流れ、路上から書店へ、書店からオンラインへと買い方も変わり、4月から、業務部で働くに至りました。

 働き始めて思うのは、『週刊金曜日』の発行が本当に読者一人ひとりに支えられて成り立っているということです。金曜日に寄せられる読者のご意見に触れるたびに、文字に宿る熱い思いに涙が溢れそうになります。先日の憲法記念日の集会では多くの読者の方から激励の言葉を頂きました。全国各地に本誌の宣伝に協力してくださる方々もいます。読者、サポーター、支援者などの「続けてほしい」という思いに応えられるように頑張ります。(上野和樹)

▼今週号で連載「橋本勝の風刺画報」が最終回を迎えました。2019年3月29日号から全60回、橋本さん、長い間ありがとうございました。

 初回は平成が終わろうとする頃、新元号を「平成」の次に「平和」にというものでした。一貫して戦争のない平和な日本、そして核のない平和な世界への願いがこめられた連載でしたが、連載中に始まったウクライナ戦争はまだ終結していません。戦争の絶えない世界をつくっている国家について、その指導者たちについて、さらにそこに住む私たち人間の本質についての橋本さんの視線に考えさせられることが多くありました。

「9条のTシャツを着て街に出よう!!」と作成した『週刊金曜日』オリジナル9条Tシャツ。橋本さんには世界の人たちが9条で地球を囲むイラストも描いていただきました。もはや『金曜日』読者のユニフォーム? 集会で見かけると元気百倍。在庫限りではありますが、ネットショップにて発売中です。

https://kinyobi.official.ec/categories/1591646(志水邦江)

▼「五月病」という言葉も聞かれますが、5月になると憂鬱になります。それは、長男猫の命日が18日だから。すでに亡くなって3年になりますが、喪失感は相変わらず。心が癒えることはありません。大好きだった食べ物などを目にすると、独特の鳴き声が聞こえてきます。前後して世を去った他の4匹と比べられはしませんが、長男猫はいまだにそばにいるような感じがしています。

 3年前といえば、ちょうど新型コロナウイルスの第4波が真っ盛り。田舎で開かれた甥の結婚式にも「東京からコロナを運んでくるかもしれない。遠慮してもらったほうが」と言われて自粛。当時、取材した講談師の神田伯山さんにお願いして「結婚、おめでとう」と書いていただいたサインと、公園で撮影したビデオメッセージを送ったばかりの頃でした。

 田舎は、今月26日に知事選の投開票が行なわれる県の西部地域にあります。「言葉の広場」の6月のテーマは「選挙」です。ご投稿をお待ちしています。(秋山晴康)

▼「今年の5月の連休頃になって、突然霊的な覚醒体験をしました」

「はあ。どんな体験でしょうか」

「前世で自分が何者だったのかが納得できまして、その後も職場で1週間ぐらい時々やってました」

 普通の20代女性に見えた彼女が麻原彰晃の写真が飾られた道場で昨日の夕飯のおかずでも説明するみたいに淡々と、自らの霊的体験を私に説明してくれたのは25年前のこと。今頃どうしてるかな......。

 というわけで以下は宣伝告知。5月20日夜19時半より東京・新宿のロフトプラスワンに私・岩本がトークゲストとして登壇します。お相手はロフトの創業者・平野悠さんと「ひかりの輪」代表の上祐史浩さん。テーマは「オウム事件・ロフト創設から30年、元オウム幹部、ロフト創業者、常連ライターが語る?日本の失われた30年の宗教・政治・社会の過去と現在と今後の不安と希望!」とのことで、いったいどうしましょう(汗)。

 ネット配信もあるそうなので、お暇でしたら覗いてみてください。ではでは♪(岩本太郎)