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「慰安婦」問題で“悪意”の報道――教授が『文春』を告訴

「慰安婦」への聞き取り調査は失敗だったことを“自供”したと報道された韓国の安秉直ソウル大学名誉教授(78歳)が9月30日、記事を掲載した『週刊文春』(以下、『文春』)の編集人および発行人、記事を執筆した大高未貴氏と取材時に大高氏に帯同した男性O氏を相手取り、「出版物による名誉毀損罪」でソウル中央地方検察庁に告訴した。安氏によると、地検は同事件の捜査を刑事1部に割り当てた。

聞き取り調査は1990年代に韓国で行なわれたもので、安氏は調査に参加した中心人物の一人だ。大高氏は『正論』などで執筆する「フリージャーナリスト」。安氏によると、大高氏は今年1月、「慰安婦」関連の著書出版を理由に韓国で安氏と面会。安氏は「報道前提の取材」は拒否するとの意思を事前に示していたが、面会当日はO氏が「無断で」ビデオ撮影もした。

その後、『文春』4月10日号は安氏が面会時に「実質的な“調査失敗”を認めた」とする記事(大高氏執筆)を掲載した。これに対し安氏は、「私の発言の趣旨を歪曲している」と本誌で告発。本誌9月12日号で反論を展開した。だが、『文春』10月2日号は再び大高氏による類似内容の記事を掲載し、同号発売日には面会時の映像の一部を「文春デジタル」の有料サイトで安氏に許可なく公開した。

告訴状には、『文春』と大高氏が虚偽の事実を報道した点、大高氏が面会時も報道前も媒体名を明かさなかった点、「5時間にわたるインタビュー」ではなかった点などが盛り込まれた。安氏の担当弁護士は、「歴史を歪曲しようとする勢力による“悪意的な”報道だという点も勘案して捜査に当たってほしいとの趣旨も含めた」とし、「安氏の許可を得ずに映像を公開したことは、肖像権、音声権の侵害に当たる」とも話す。安氏は、映像を無断で公開されたことについても追加告訴する意向を示している。

(渡部睦美・編集部、10月17日号)