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水俣で脱原発目指す市民団体発足――「脱原発宣言都市」を提案

 九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)から四〇キロ圏内に市の一部が入る熊本県水俣市に、「原発からの撤退と自然エネルギーへの転換をすすめる水俣の会」が発足した。

 会の代表世話人・元村義晴さん(水俣の暮らしを守る・みんなの会副会長)らが中心になり、原発に依存したエネルギー政策から脱却し、自然エネルギーへの転換を市や熊本県に働きかけていく。現在、個人約六〇人と、水俣病不知火患者会など五団体が会の趣旨に賛同している。

 事務局の中山徹さんは、「水俣は、水俣病の原因企業・チッソ関係者、患者、市民が分断されてきた歴史がある。支援したくても表立って声があげられない状況だった」と、市民運動の難しさを振り返る。そんな水俣の市民運動が転機を迎えたのは、二〇〇三年、水俣に計画された産業廃棄物処分場建設への反対運動だった。「飲み水に影響を及ぼす可能性があり、『水俣の命と水を守る市民の会』が発足し、みんなで計画を阻止させた」と話す中山さんは、今回も水俣市民が広く参加できることが重要と強調する。署名集めや集会などで市民の合意を得て、来年三月の市議会にむけ「脱原発宣言都市水俣」を提案し、採択を目指す。

 水俣市は宮本勝彬市長が、原子力依存の再考を訴え、市議会も自然エネルギーへの転換を促進する意見書や、川内原発の停止を求める陳情を採択。市内の漁港では波力発電の実証実験中で、すでに実験が終了した小水力発電については、実用化が検討されている。

 現時点では電力の地産地消は難しいが、「JNC(旧チッソ)は水俣工場の電気を全て自家発電(水力)している。余剰電力と自然エネルギーを組み合わせれば、水俣は脱原発できる可能性がある」(中山さん)という。

 JNCは現在、自家発電量の七割を大手電力会社や事業者に供給している。

(奥田みのり・ライター、9月2日号)