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ケースワーカー「死体遺棄」逮捕で問われる自治体の良識

みわよしこ|2020年2月19日7:04PM

【過酷な労働実態が原因か】

生活保護業務に長年従事してきた元京都府職員は、向日市役所の全庁的体制の問題点を、「『生活保護の担当部署だけが問題で、他は問題ない』ということはない」と指摘する。背景には、地方分権改革による公務員削減という全国的課題がある。地方公務員の総数は、1994年の約329万人をピークに削減が続き、2018年には約274万人となっていた。19年、地方公務員1人あたりの人口は、全国では46・1人だったことになる。18年度、向日市の職員数は351人、人口は5万7490人であった。市職員1人あたりの人口は163・8人となる。向日市が「小さい政府」ならぬ「小さすぎる地方自治体」となっていることは、確かであろう。向日市では、長くとも3年程度での異動が通例となっていると職員らは語る。Y氏は15年に生活保護担当部署に異動し、19年の事件発覚時には2番目に経験年数の長いケースワーカーであった。人命に関わる業務にふさわしい人事ではない。

Y氏の公判は20年2月3日、京都地裁で参考人質問が行なわれ、3月にも判決が言い渡される見通しだ。執行猶予つき判決となっても、禁錮以上の刑に処せられれば、Y氏は地方公務員法の規定によって自動失職する。過酷な労働環境の中、孤立無援となって犯罪に巻き込まれた青年は、このまま見殺しにされるのだろうか。日本の地方自治の良識が問われている。

(みわよしこ・ライター、2020年1月31日号)

 

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