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『平和の少女像』展示──河村名古屋市長が「即刻中止」要請、津田監督は「自制的振る舞いを期待」
2019年8月2日9:25PM
愛知県で8月1日開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、「慰安婦」を象徴した「平和の少女像」が展示されたことに対し2日、会場の愛知芸術文化センターを訪れた河村たかし名古屋市長(同実行委員会会長代行)は「名古屋市や愛知県や国の税金も入ってますから、あたかも国全体がこれを認めたというふうに見える。展示を即刻中止していただきたい」と述べ、少女像の撤去やこの像を展示している企画展「表現の不自由展・その後」を中止することを、同実行委員会会長を務める大村秀章愛知県知事に申し入れることを表明した。
これを受け、トリエンナーレの芸術監督を務めているジャーナリストの津田大介氏が同日夕、緊急会見し、「『表現の不自由展・その後』は、日本の公立美術館で一度は展示されたものの、その後撤去されるなどした作品を、その経緯と共に展示し、議論のきっかけにしたいというのが趣旨」と企画展の継続に理解を求めながらも、主催する実行委事務局に抗議電話が殺到し、職員の安全が危ぶまれる状況にあることから、「状況が改善されないようであれば、『表現の不自由展』の展示変更を含めた対処法を考えている」と今後、少女像撤去を含めた展示内容の変更を検討していくことにも含みを持たせた。
河村市長が会場を訪れたのは2日正午ごろ。少女像を前に「(韓国の日本大使館前にある像と)顔は同じかね」などと一言二言、主催者に質問した後、会場を出、約40人ほど集まった取材陣を前に「日本人の心を踏みにじるもんだね。10億円ぐらい税金使ってます。そんなとこでこんなことやるというのは、いかんと思いますよ」とまくしたてた。実行委によると、トリエンナーレの総事業費約12億5000万円のうち、愛知県が約7億7000万円、名古屋市が約2億1000万円を支出。県には文化庁から約1億3000万円の補助金を見込んでいる。
河村市長はさらに、「陛下の写真の加工したのもありましたけど、あれもちょっといかんのじゃないですか」と、昭和天皇の写真を使った作品についても問題視する考えを示した。少女像が展示されていることについて、大阪市の松井一郎市長から、「慰安婦のやつを展示しとる。どうなっとんのや」と問い合わせがあったことも明らかにした。
河村市長の会場視察の模様は、「たくさんのメディアが来ているので、会場の安全のために」(実行委事務局)との理由から、カメラ撮影が禁止された。