【タグ】あいちトリエンナーレ|大村秀章|少女像|慰安婦|松井一郎|河村たかし|津田大介
『平和の少女像』展示──河村名古屋市長が「即刻中止」要請、津田監督は「自制的振る舞いを期待」
2019年8月2日9:25PM
来場者でにぎわう
「表現の不自由展」の会場は2日も来場者でにぎわった。少女像の前でしゃがんで像をのぞき込む女性や、隣の椅子に座って、像の手に触れる女性の姿も見られた。午後には、日の丸の腕章を巻き、拡声器を持った黒づくめの服を着た男性が会場を訪れ、昭和天皇を扱った映像作品を撮影し続け、ほかの来場者が困惑している場面もあった。
河村市長は2日、大村知事に対し、「行政の立場を超えた展示が行われていることに、厳重に抗議するとともに、即時、天皇陛下や慰安婦問題などに関する展示の中止を含めた適切な対応を求める」とする抗議文を提出した。菅義偉官房長官も2日の定例会見で、少女像の展示に言及した。大村知事の判断に注目が集まる。
窮屈になりつつある「表現の自由」について改めて考え、議論する貴重な機会を設けようと果敢に挑戦し、提供してくれている「表現の不自由展」。議論が十分に行なわれないまま、上や下からの「圧力」で展示物の撤去や中止が行なわれることを憂う。これまで積み重ねられてきた「表現の不自由」の1ページに今回の展示が加わることのないよう、知恵を出し合いたい。
(井澤宏明・ジャーナリスト)