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宇佐神宮解雇裁判一審判決が確定 
問題の“根っこ”は神社本庁

2019年5月24日11:52AM

安徳天皇の隠棲の地との伝承もある到津家住居(撮影/片岡伸行)

全国に約4万社ある八幡宮の総本宮、宇佐神宮(大分県宇佐市)の宮司職を代々務めてきた世襲家の到津克子さん(50歳)が、宮司に次ぐ権宮司職を解雇されたのは無効として地位確認を求めていた控訴審で、到津さん側がこのほど控訴を取り下げた。これにより、境内地の住居維持を認めた一審判決が確定することになった。

宇佐神宮では、2008年に当時の責任役員会が到津さんの宮司就任を全員一致で決定し宗教法人神社本庁に具申したが、「女性は任命しない」などとされ、克子さんの父・公齊氏死去(09年1月)直後から到津家排除の動きが表面化。神社本庁の意向を受けた大分県神社庁長が宮司に着任した。

その後、到津さんは一方的に役職を奪われ、給与も減らされ、さらに暴力行為や監視、密告などのパワーハラスメントを受けた末、14年5月に懲戒免職された。

一審の大分地裁中津支部は18年2月13日、到津さんへのパワハラがあったことを認定し、宇佐神宮側に137万円の賠償金支払いを命じながらも「免職・解雇は有効」とする不可解で矛盾した判決を出したため、到津さん側がこれを不服として控訴していた。

福岡高裁での控訴審は昨年9月に結審し和解協議が進められていたが、高裁が元宮司邸である到津家の建物を「8年後に明け渡すこと」などの和解案を提示したため、到津さん側は「住居明け渡しは事実上、到津家の廃絶を意味する」としてこれを拒否。苦渋の思いで一審判決確定の道を選んだ。

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