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櫻井よしこ氏は「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていた

徃住嘉文|2019年4月19日6:20PM

櫻井よしこ氏が「国策――」と書いた『週刊時事』1992年7月18日号。(撮影/編集部)

『朝日新聞』の日本軍「慰安婦」の記事を「強制連行を捏造した」と非難している櫻井よしこ氏が、自身も「日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たち」とテレビ、雑誌で報道していたことがわかった。

自身の報道を棚にあげ、他者を「捏造」呼ばわりするのはアンフェアではないだろうか。

櫻井よしこ氏がキャスターを務めていた日本テレビのニュース番組「NNNきょうの出来事」と見られる動画がある。1992年12月9日、東京で開かれた「日本の戦後補償に関する国際公聴会」を櫻井氏にうり二つの女性はこう放送した。「第2次世界大戦中に、日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たちが、当時の様子を生々しく証言しました」。画面では「韓国人元慰安婦」の字幕とともにチマチョゴリ姿の元「慰安婦」が公聴会の壇上で叫ぶ。「私の一生を台無しにして! 日本政府は隠さないでしっかり謝罪したらどうなの!」

男性アナウンサーの声。「これは元従軍慰安婦らから事情を聴き日本政府に謝罪と戦後補償を求める公聴会です。今回初めて名乗り出たオランダや北朝鮮の元従軍慰安婦8人が当時の様子を生々しく語りました」

壇上では元「慰安婦」たちが泣いている。字幕の説明。「感極まって、韓国と北朝鮮の元慰安婦が抱き合った」。中国の元「慰安婦」、万愛花さん(64歳、当時)のインタビューもある。「私は15歳でした。日本軍に襲われて両手両足を押さえられ、乱暴されました」。約3分弱の動画だ。

フェイクの時代だ。万が一にもと日本テレビに動画の確認をお願いした。「放送したものがすべて。答えられない」。櫻井氏からも「裁判中なので」と取材を断られた。

「責任痛感すべき私たち」

しかし、櫻井氏は92年7月18日号の『週刊時事』(時事通信社)でも次のように書いている。〈東京地方裁判所には、元従軍慰安婦だったという韓国人女性らが、補償を求めて訴えを起こした。強制的に旧日本軍に徴用されたという彼女らの生々しい訴えは、人間としても同性としても、心からの同情なしには聞けないものだ〉〈売春という行為を戦時下の国策のひとつにして、戦地にまで組織的に女性達を連れていった日本政府の姿勢は、言語道断、恥ずべきであるが、背景にはそのような政策を支持する世論があった。とすれば、責任を痛感すべきは、むしろ、私たち一人ひとりである〉

櫻井氏は、この記事などを再録し『櫻井よしこが取材する』(ダイヤモンド社)を94年に出版した。少なくともこの年まで、櫻井氏は、日本が国策として強制的に「慰安婦」にしたと伝えていたことになる。ちなみに、手元にある本は櫻井氏のサイン入りだ。フェイク本ではおそらく、ない。

(徃住嘉文・報道人、2019年4月19日号)

※編注:元『朝日新聞』記者の植村隆氏が、元日本軍「慰安婦」に関する記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、櫻井氏を訴えた札幌訴訟について、4月19日(金)発売の『週刊金曜日』4月19日号が詳しく報じている。同誌は書店などで販売する紙版のほか、アプリを使った電子版でも購読できる。

 

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