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元BC級戦犯の李鶴来さん、戦後補償の解決訴える

永尾俊彦|2018年8月9日10:17AM

会見で法案の成立を訴える李鶴来さん=7月18日、参議院議員会館。(撮影/永尾俊彦)

「今年10月は『日韓共同宣言』20周年ですが、『未来志向』を強調される前に、不条理を押し付けられ、亡くなった友人たちの無念の怨恨を癒やしていただきたい」

朝鮮人元BC級戦犯の李鶴来さん(93歳)=本誌7月20日号で紹介=は7月18日、東京・永田町の参議院議員会館で記者会見し、特別給付金法案の成立を求めた。

植民地下の朝鮮で日本軍軍属になった李さんは、捕虜虐待容疑でBC級戦犯に問われ、死刑判決を受けたが、減刑されて生還した。

だが、日本人元戦犯には軍人恩給などが出るのに、李さんたち旧植民地出身の元戦犯は1952年のサンフランシスコ平和条約で「日本人ではなくなった」とされ、謝罪も補償もされなかった。困窮した李さんら70人は55年、「韓国出身戦犯者・同進会」を結成、日本政府と交渉を続けてきたが、65年の日韓基本条約・請求権協定発効後は「一括解決済み」とされ、李さんたちは2000年から議員立法による解決を目指している。

求めているのは、1人260万円の特別給付金で、総額は約2億5000万円の見込みだ。

「2010年にはシベリア抑留者に対する特別措置法が成立するなど(戦後補償の)問題は解決してきているのに私たちの問題だけが解決していない」と李さん。

「誰が法案の成立に反対しているのか」との記者からの質問に、「『同進会』を応援する会」の有光健さんは、「一部の議員や官邸、それに財務省が『戦後補償はすべて終わっている。何を今さら』と抵抗している」と答えた。他方、有光さんは日韓議員連盟幹事長の河村建夫衆議院議員(自民党)が、記者会見に先立って開かれた集会で「秋の臨時国会で法案提出、成立まで頑張りたい」と述べたと報告した。先週退院したばかりの李さんは、「平成が終わる前に、お迎えが来る前に法案を成立させて」と渾身の力を振り絞って訴えた。

(永尾俊彦・ルポライター、2018年7月27日号)

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