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橋下徹氏1リツイート100万円名誉毀損裁判で岩上安身氏が初弁論

浅野健一|2018年5月17日10:27AM

裁判後の集会で報告する岩上安身さん(右端)。大阪弁護士会館で。(撮影/浅野健一)

原告は橋下徹・前大阪市長で、被告がインディペンデント・ウェブ・ジャーナル(IWJ)代表の岩上安身氏という名誉毀損訴訟の第1回口頭弁論が4月19日、大阪地裁(末永雅之裁判長)で開かれた。

橋下氏は、岩上氏のツイッターのリツイートによって社会的信用を低下させられたとして、昨年12月15日に賠償金100万円を請求する訴訟を起こした。昨年10月28日の元ツイートでは、橋下氏が丸山穂高議員(日本維新の会)による松井一郎代表批判を酷評したことを書いた新聞記事を読んで、かつて府幹部らに乱暴な言動をしていたことを忘れたのか、「恥を知れ」などと記されていた。岩上氏は何のコメントも付けず、翌日リツイートした。

被告代理人の梓澤和幸弁護士は「事前の通告、謝罪の要求もなく、いきなりの提訴だった。橋下氏批判を封じることが目的のスラップ(恫喝)訴訟で、訴権の濫用に当たる」として、請求の却下を求めた。また、「岩上氏のリツイートには公益性、公共性、真実性がある。橋下氏は言論で反論でき、損害は発生していない」と強調した。

末永裁判長は府に対し、元ツイートで言及された橋下氏と府職員の紛争を調査した府報告書の文書送付嘱託を行なうと表明した。

岩上氏は記者会見で「万人が言論の担い手になり、それを拡散もすることも可能なツイート、シェアがもとで、片っ端から、スラップ訴訟を起こされるとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上での言論活動が抑圧される。橋下氏の模倣が横行する危険性がある」と訴えた。報告集会には約50人の市民が参加。木村真・豊中市議は「橋下氏と維新によって抑圧された市民、労働者は岩上さんを支援する」と話した。

原告代理人の松隈貴史弁護士(橋下綜合法律事務所)は筆者の取材に「相手側の主張については裁判で明らかにする」と回答した。

(浅野健一・ジャーナリスト、2018年4月27日号)

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