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ポルノ、性暴力被害の根絶へ NPO法人「PAPS」が始動

参加者に紹介されるPAPSの法人理事ら。(撮影/小宮純一)

ポルノの制作・流通・消費によって生じているさまざまな人権侵害や性暴力に関する啓発、被害者支援、調査などを2009年5月から任意団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS=ぱっぷす)」として行なってきた婦人保護施設や児童施設の職員、研究者、ソーシャルワーカー、弁護士らが12月、調査研究や社会啓発をより充実させるためNPO法人を設立。これを記念して12月10日、東京・千代田区で行なったシンポジウムには市民ら約80人が参加。アダルトビデオ(AV)出演強要被害事件の実相についてソーシャルワーカーの金尻カズナ氏、弁護士の笹本潤氏が報告した。2氏は相談に関わった数事例を挙げ、AV産業の舞台裏を紹介した。

最初は手や足など体の一部分だけを使った「パーツ・モデル」募集のサイトを検索して連絡したところ、撮影会のモデルだと説明され、面接に応じると1回3000円の収入になるというバイトも紹介された。数日後、会場に行ったらAV面接だったという。

ネット広告、スカウト、プロダクション、制作会社、AVメーカー、販売店、動画配信会社が分業する重層構造の仕組みが裏側に出来上がっており、出演を断ったり、指示に従わなかった場合には、それぞれが法外な違約金などを請求できる巧妙な「専属芸術家契約書」、「営業委託契約書」「出演同意書」が被害者との間に交わされているという。こうした実態は「危険性についての説明を回避された契約奴隷状態だ」と述べた。

さらに、陰部にモザイクがかからない無修正動画ビジネスはより深刻で、日本の業者が撮影画像をオランダ・アムステルダムや米国・ネバダ州、カリフォルニア州などの業者に転売して配信されている点について「タックス・ヘイブンならぬポルノ・ヘイブンだ」と批判した。
PAPSのHPは URL www.paps-jp.org。

(小宮純一・ジャーナリスト、2017年12月22日号)