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712人死亡「大牟田爆発赤痢事件」、戦時の毒ガス製造事故を日本軍が隠蔽か

9月24日、「日中戦争80年キャンペーン」第3回講演会で語る北宏一朗さん。(写真/原田成人)

「日中戦争80年キャンペーン」第3回講演会は、化学兵器被害解決ネットワークの北宏一朗さんを招き、毒ガス製造企業の加害責任に焦点を当てて、9月24日東京・文京区で開催。約70人が参加した。

北さんは化学メーカーが日中戦争時に毒ガス原料を製造していただけでなく、戦後も、戦争に深く関わり、ベトナム戦争の枯葉剤などの3分の1は日本製と指摘。戦後も化学兵器加害の責任を取ることなく引き継がれた実態を告発した。

また、毒ガス製造企業の関係が強く疑われる事件として「大牟田爆発赤痢事件」を紹介。1937年9月25日福岡県大牟田市で三井三池染料工業所(現三井化学)の工場で爆発が起きた後、風下の住民が咳、高熱、吐き気、下痢などの症状で病院に殺到。約11万の市民のうち2万5000人が症状を訴え、712人の死者を出した事件だ。上水道の汚染による赤痢菌の集団感染と断定されたが、北さんは、症状が当時工場で作られていたと推測されている毒ガス中間薬による症状に酷似することに着眼。赤痢菌でつくられる経口ワクチンが予防薬として事件後すぐ配られ、配布後検出された赤痢菌株の種類が通常1種類なのに複数であること、元水道課長の水道原因説を否定するメモ、大牟田市史の水道原因説否定など複数の資料を示し、赤痢原因説が軍や国による毒ガス爆発事故隠蔽の可能性を指摘した。

(原田成人・業務部、9月29日号)