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「外国人家事労働者」を推進する戦略特区に欠けている視点とは

移住労働者問題を研究する巣内尚子さん。今後も調査を続ける予定だ。(写真/山村清二)

7月17日~23日、東京・新宿のギャラリーで、ジャーナリストの巣内尚子さんの写真展「『彼女を探して』 現代ベトナムと女性移住家事労働者」が開催された。

巣内さんによれば、ベトナムは移住労働者の送り出し国だが、女性は、台湾などで家事労働に従事することが多く、虐待やハラスメントに遭うこともしばしばとのこと。展示された女性たちはみな、明るい笑顔を向けているが、「話をじっくり聞くと、家事と介護の両方を長時間労働で強いられるなど、休みはまったくとれていない」女性ばかりとのこと。そんな一人ひとりのライフ・ヒストリーを丹念に追いかけたので標題を「彼女を探して」としたという。

日本においては、加計学園問題などでクローズアップされている国家戦略特区の一つ、「家事支援外国人受入事業」として、東京都・神奈川県・大阪市などで、移住家事労働者の受け入れが進むが、「(家事労働者を)使う側の視点ばかりで、雇用される側の視点がない」と批判。

しかも日本は、家事労働者の基本的な権利を守るILO(国際労働機関)第189号条約を批准していない。巣内さんは「既に技能実習生などの外国人労働者が搾取やハラスメントに直面する事例がある。特区の家事労働者受け入れは現在は大手企業中心だが、裾野が広がれば課題が生じる可能性がある」と懸念する。

(山村清二・編集部、7月28日号)