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国民安保法制懇が集団的自衛権行使容認の撤回を要求――「嘘と詭弁の閣議決定は無効」

2014年10月24日6:10PM

「集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回を求める」報告書l要旨

「集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回を求める」報告書l要旨

平和憲法下で禁じてきた海外での武力行使を、一内閣の閣議決定(7月1日)で容認しようとする安倍政権に対して、憲法学者や元政府高官、弁護士らでつくる「国民安保法制懇」がNOを突きつける「報告書」を発表(9月29日)。歴代政権で憲法解釈を担った元内閣法制局長官は会見で「(この閣議決定は)内閣の権能を超えたものであり、無効」(大森政輔氏)と言いきった。折しも臨時国会の開会日、約2000人が国会周辺で「安倍退陣」を求めてデモを繰り広げた。

国民安保法制懇は、安倍晋三首相が恣意的に選んだメンバーによる安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)が集団的自衛権の行使を容認する「提言」(5月15日)を出したのを受け、「立憲主義の破壊だ」との危機感を共有する憲法学者らで同月末に設立された。

発足時メンバーは愛敬浩二・名古屋大学教授、青井未帆・学習院大学教授、伊勢崎賢治・東京外国語大学教授、伊藤真弁護士、大森政輔・第58代内閣法制局長官、小林節・慶應義塾大学名誉教授、長谷部恭男・早稲田大学教授、樋口陽一・東京大学名誉教授、孫崎享・元外務省国際情報局長(元防衛大学校教授)、最上敏樹・早稲田大学教授、柳澤協二・防衛省防衛研究所長(元内閣官房副長官補)の11人。その後、7月1日の安倍政権による閣議決定をめぐり検討を重ねてきた。

報告書の要旨は〈表〉(メルマガでは割愛)のとおりだが、東京・永田町の衆議院第二議員会館で開かれた発表会見にはメンバー9人が並んだ。樋口氏は「自衛権という言葉を使っているが、これは他衛権だ」とし、「他国を守るという名目で他国をめちゃくちゃにすれば、当然その報復は日本にも来る」と危険性を指摘。柳澤氏は「政府の『武力行使新3要件』にある『我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から脅かされる明白な危険』などが現実にありうるのか。かりにあれば自衛権で対処可能」とし、小林氏も「『明白な危険』とは何なのか、いくら考えてもわからない。他国が攻撃された結果として、なぜ日本、日本人の人権が根底から脅かされる事態になるのか」と疑問を呈した。

孫崎氏は「これは米国の戦争に自衛隊が使われようとしているのであって自己防衛ではない。米艦船が日本人の保護などというのはハリウッドの脚本で、嘘と詭弁で日本の根本を変えようとしている」と喝破。青井氏も「他国の防衛のための武力行使が集団的自衛権であり、『必要最小限』というのはまやかし。個別的自衛権に踏みとどまってきた憲法9条が紙切れになる」と危惧した。元内閣法制局長官の大森氏は「昭和29年7月1日、自衛隊創設に際し、9条は自国防衛のための個別的自衛権までは否定していないとされ、以後70年近くこの説明が維持されてきた。それを論理のすり替えでひっくり返した閣議決定は内閣の権能を超えたものであり、無効だ。認められない」と述べた。

(片岡伸行・編集部、10月10日号)

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