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「憲法を変えるのは、もっと悪くなることを選択すること」――「九条の会」が96条改憲に警鐘

「九条の会」の記者会見。左から小森陽一、大江健三郎、奥平康弘、澤地久枝の各氏。(撮影/赤岩友香)

「九条の会」の記者会見。左から小森陽一、大江健三郎、奥平康弘、澤地久枝の各氏。(撮影/赤岩友香)

 安倍政権が憲法九六条改憲を突破口に九条改憲を狙う中、「九条の会」が五月一七日、東京都内で会見を開いた。参加したのは同会呼びかけ人のうち、作家の大江健三郎さん、憲法研究者の奥平康弘さん、作家の澤地久枝さん、そして事務局で東京大学教授の小森陽一さん。

 九条の会は二〇〇四年六月に発足。全国各地、さまざまな分野で組織された九条の会は七五〇〇を超えている。一一月一六日には東京で「全国交流・討論集会」を開催する予定だという。

 大江さんは九条の会を作ってから「一番危機に陥ってしまっているのが現在」と述べた。また同会呼びかけ人の一人だった故・井上ひさしさん(劇作家)の「国が勝手気ままに暴走しないように縛るのが憲法」という言葉を紹介。九六条の改憲は立憲主義の破壊にほかならないなどと危機感を示した。

 澤地さんは「昨年末の総選挙では投票に行っていない人が四割以上いる。サイレントマジョリティを一番恐れているのは安倍内閣、自民党」「何としても(今夏の)参院選で安倍さんが負けるように」したいと語った。

 昨年末の総選挙は脱原発の世論が強かったにもかかわらず自民党が大勝。参院選で護憲の世論が強くなったとしても、護憲を掲げる共産党や社民党が脱原発を公約とした総選挙と同様、受け皿にならない可能性がある。その原因について筆者が質問すると、奥平さんは「党の垣根を越えて『護憲』で大同団結してほしい」旨を述べた。

 政治には期待できないという気持ちが選挙離れを呼んでいる。そして今、国民が「望んでいない方向に向かっている」と澤地さんは語る。「憲法を変えるのは、もっと悪くなることを選択すること」(澤地さん)。そのことをサイレントマジョリティに届けられるかどうかが今夏の参院選のカギとなるようだ。

(赤岩友香・編集部、5月24日号)