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宜野湾市長選で伊波氏敗れる――新市長「県外移転」の本気度は?

2012年2月29日2:51PM

佐喜真淳氏の当確の報に、肩を落とす伊波氏(右)。(撮影/尾崎孝史)

 二月一二日投開票の沖縄県宜野湾市長選挙は、社民党や共産党、社会大衆党が推薦する伊波洋一候補が、保守の佐喜真淳候補(自民党、公明党、新党改革推薦)に約九〇〇票の僅差で敗れた。選挙期間中は両候補とも市内の米軍普天間基地について「県外移転」を掲げており、「争点が見えにくい」との声も聞かれた。だが、名護市の辺野古新基地建設を断念していない日米両政府が佐喜真候補の当選を狙っていたのは事実だった。

 今回の選挙結果について、辺野古移設に反対するヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表委員は「佐喜真候補の『県外移転』公約は、注意を要する」と指摘。同候補について、「元々、普天間の移転先があれば『受け入れるよう説得する』と発言し、県内移設について明確に反対と言わず、オブラートに包んでいる。だからこそ沖縄防衛局も佐喜真候補の当選のため、職員に親族の名簿まで作らせて選挙に介入しようと考えていたのではないか」と、警戒を隠さない。

 さらに伊波陣営では、選挙直前に日米両政府が「海兵隊グアム移転と普天間基地移設の分離」を発表したことについて、辺野古新基地建設反対を明言している伊波候補では普天間基地は固定化せざるを得ない――という脅しのメッセージとして受け止めていた。

 当面、佐喜真氏の基地に対する姿勢が問われるのは、海兵隊が今秋にも予定している垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間基地先行配備だ。米国では欠陥が指摘され、さらに同基地の騒音問題がより深刻になると見られるが、どこまで反対を貫けるか。

 しかも佐喜真氏は、基地交付金など防衛予算の増額を政府に求めていくと発言。これでは基地への依存が強まり、固定化につながりかねない。宜野湾市民の新市長に対する監視が求められている。

(成澤宗男・編集部、2月17日号)

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